研究課題/領域番号 |
19H00963
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
廣田 知良 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, グループ長 (20343949)
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研究分担者 |
稲津 將 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80422450)
山田 朋人 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10554959)
西尾 善太 東京農業大学, 農学部, 准教授 (80446476)
濱嵜 孝弘 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (80442789) [辞退]
小南 靖弘 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, グループ長 (00370544)
下田 星児 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (80425587)
村上 貴一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 研究員 (50813903)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 気候シフト / 作物データセット / 適応策 / 普及 |
研究実績の概要 |
多数アンサンブルの気候モデル計算を利用して、北海道における高解像度気候変動予測データを作成した。特に、既往特定事象の出現確率を現在および将来で評価するイベント・プロジェクション手法を開発した。この手法を用いてバレイショでの解析に着手し、および北海道の十勝川水系における各流域の台風通過時の降水量の影響を解析した。十勝川水系の解析では札内川流域ではとりわけ台風による強降雨を受けることが判明し、これは過去気候に対して将来気候において顕著であった。また、地形情報および高層気象の情報を説明変数として取り入れた機械学習により、冬季の厳寒条件における気温の空間補間値の正確性の向上の可能性を示唆する結果を得た。九州北部地方の水田輪作地帯における小麦の収量構成要素と生育期の気象条件(温度、降水量、日照時間など)との関係を解析し、この地域では生育初期における降水量の増加が収量に負の影響を与えることが明らかになり、排水改良が負の影響に対しての対策で必要なことを示した。気候変動適応策に対する普及の要因について、研究調査、解析手法を含めての検討を行った。その結果、研究開発と普及期間の関係性や文献調査からの栽培技術資料の変遷を辿ることが有効であることが示された。その中で、北海道・十勝地方の野良イモ対策については、先進的農家と研究者、および普及センターやJAなどの普及関係機関との関係を調べていく過程で、分散型普及と集中型普及の組み合わせが普及推進の原動力となったことを明らかにした。また、小麦の気候変動適応策では、施肥法と茎数制御の観点を中心に適応技術の発展過程を分析した。データレスキューについては研究グループで実績のある畑作関係を中心に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
気候変動解析、適応策については影響評価から普及までの研究方針に基づき初年度の解析が順調に実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
開発したイベント・プロジェクション法により、畑作栽培に影響を与える極端現象の変化を確率分布として表現する。また、必要に応じて、5 km力学的ダウンスケール計算を利用して、より詳細な地域気候変動マップを得る。データセットについては冬季の気候変動に関するデータ収集と解析についても注力する。また、小麦についてデータセットや解析手法もモデル解析も含めて拡張する。畑作についてはテンサイの気象応答を加える。
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備考 |
農研機構技報については 北海道における土壌凍結深の減少が農業に与える影響と対策 廣田知良が該当
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