研究課題
大規模アンサンブル気象データベースd4pdfを用いて北海道のバレイショへの温暖化への影響と適応策の検討し、温暖化によって収量が低下するリスクは増加し、また作期の早期化では対応できず、高温耐性を持つ品種への転換が重要な適応策になることが明らかとなった。北海道の十勝川水系などの解析から大規模アンサンブル気象データベースd4pdfを用いて洪水リスクの定量化が実現した。北海道胆振東部地震が農地侵食に与える影響について、震災後は大規模土砂崩壊リスクが高まっていると推定され、将来における極端降雨における侵食リスクと共に考慮すべきであることを示した。北海道における冬季の気候変動が農業に与える影響については、1)小麦における雪踏みによる野良イモ防除について現地実証で有効性を示し、2)地形情報および高層気象の情報を説明変数として取り入れた機械学習により、冬季の厳寒条件における気温の空間補間値を補正する手法を開発すると共に、3)融雪水の浸透効果を取り組んだモデル化と4)大規模アンサンブル気象データベースd4pdfを土壌凍結深推定手法と組み合わせて解析する手法開発に着手、5)北海道の小麦栽培における融雪促進影響を検討し、融雪材の促進効果は地域や融雪材散布後の気象条件で与える効果が異なることがわかった。データレスキューでは北海道や関東の小麦、北海道における圃場作業記録、北海道のワイン用ブドウ、九州の1958年~2019年の過去60年の気象概況と農作概況および農業気象災害のデータレスキューについて、これまで入手困難あるいは注目されてこなかったデータも含めて収集が進んだ。また、行政ルートからのデータ収集探査を詳細に集める手法を検討すると共に、テンサイについては、昭和30年代に国の農業研究機関を中心に進められた暖地テンサイに関する各種資料が温暖化研究に展開できる可能性を見出した。
2: おおむね順調に進展している
コロナ禍において、現地での調査には影響がでたものの、大規模気候アンサンブルデータを用いた農業適応策について、作物統計データセットの作成も通しながら共同研究における成果を創出した。さらに引き続き実施する研究に対してデータセットの作成方針への新たな可能性が示さられるなど、研究の進捗が順調に進行している。
データレスキューについては昨年度、コロナ禍において実施が十分にできなかった現地調査について力点を置く。これらの調査からまた地域における適応主体との連携についての成果を取りまとめる。大規模気候アンサンブルデータを用いた農業適応策に関する研究を引き続き進める。また、地域特産物の気候変動影響評価も適用については、特に永年性作物であるワイン用ブドウでは、気象作物タイムラグ相関の解析により、隔年変動の発生要因を解明する。
第8回プラチナ大賞;技術革新賞冬の寒さを利用して人と環境に優しい持続可能な農業を実現:令和二年度土木学会北海道支部優秀学生講演賞 宮崎功太郎, 星野剛など講演会・研修会等の講師講演会・研修会名:十勝経営者大学「北海道論」コース・主催:北海道中小企業家同友会とかち支部・場所(集会の場合)/オンライン:帯広市東2条南5丁目1番地・令和3年3月23日・発表題目:北海道の気候の変遷
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令和2年度土木学会北海道支部論文報告集
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