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2021 年度 実績報告書

細胞内輸送が厳密に制御する自然免疫分子STINGの活性・不活性化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 19H00974
研究機関東北大学

研究代表者

田口 友彦  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (10300881)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード膜輸送 / 細胞小器官 / 自然免疫 / ユビキチン修飾 / ミクロオートファジー
研究実績の概要

令和2年度に行ったスクリーニングの結果、複数のvps遺伝子がSTINGの分解に関与することが示唆された。令和3年度は、その中でも表現型が強く出たvps遺伝子(vps23, vps28, vps32, vps37a, vps4a/b)に焦点をあて解析をすすめ、膜の変形を制御するESCRT複合体がSTINGのリソソーム分解を制御することを明らかにした。また、STINGの生化学的解析をすすめ、STINGがゴルジ体を経由してリサイクリングエンドソームに到達した時間帯で高度にユビキチン化されること、特にSTING K288に結合するユビキチン鎖がリソソーム分解に重要であることを見出した。さらに、リサイクリングエンドソームに局在化したSTINGにVps23 (Tsg101)がリクルートされてくること、このVps23のエンドソーム局在には、STING K288のユビキチン鎖とVps23のN末端のユビキチン結合領域が必要であることも明らかにした。以上、STINGのリソソームによるミクロオートファジー分解には、オルガネラ選択的に起こるSTINGのユビキチン化、およびESCRT複合体によるユビキチン化STINGの認識が必要であることを示すことができた。また、光ー電子相関顕微鏡法(CLEM)を用いることで、STINGがリサイクリングエンドソームで被覆小胞化すること、この被覆小胞をリソソームが直接飲み込むようにしてリソソーム内腔に取り込んでいることも明らかにした。STINGが乗っている膜のサイズを小胞化のプロセスにより小さくすることで、リソソームによるミクロオートファジー分解反応を促進していることが考えられる。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Specific association of TBK1 with the trans-Golgi network following STING stimulation2022

    • 著者名/発表者名
      Kemmoku Haruka、Kuchitsu Yoshihiko、Mukai Kojiro、Taguchi Tomohiko
    • 雑誌名

      Cell Structure and Function

      巻: 47 ページ: 19~30

    • DOI

      10.1247/csf.21080

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A cell-free assay implicates a role of sphingomyelin and cholesterol in STING phosphorylation2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Kanoko、Niki Takahiro、Ogawa Emari、Fumika Kiku、Nishioka Yu、Sawa Masaaki、Arai Hiroyuki、Mukai Kojiro、Taguchi Tomohiko
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 11996

    • DOI

      10.1038/s41598-021-91562-z

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] STING Operation at the ER/Golgi Interface2021

    • 著者名/発表者名
      Taguchi Tomohiko、Mukai Kojiro、Takaya Eiko、Shindo Ruri
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 12 ページ: 646304

    • DOI

      10.3389/fimmu.2021.646304

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] リソソーム分解を介した 自然免疫応答経路STINGシグナルの収束機構2022

    • 著者名/発表者名
      朽津芳彦、向井康治朗 、高阿田有希 、篠島あゆみ 、植村武文、和栗聡、田口友彦
    • 学会等名
      第5回日本免疫不全・自己炎症学会総会・学術集会
  • [学会発表] 自然免疫分子STINGのミクロオートファジー分解2022

    • 著者名/発表者名
      田口友彦、朽津芳彦、高阿田有希、篠島あゆみ、向井康治朗、植村武文、和栗聡
    • 学会等名
      第127回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 自然免疫分子STINGのミクロオートファジー分解2021

    • 著者名/発表者名
      朽津芳彦、高阿田有希、篠島あゆみ、向井康治朗、田口友彦
    • 学会等名
      第73回 日本細胞生物学会
  • [学会発表] TBK1によるSTINGのリン酸化におけるコレステロールとスフィンゴミエリンの意義2021

    • 著者名/発表者名
      髙橋花乃子、向井康治朗、田口友彦
    • 学会等名
      第73回 日本細胞生物学会
  • [学会発表] 自然免疫分子STINGの小胞体局在維持機構とその破綻に起因する疾患2021

    • 著者名/発表者名
      向井 康治朗、小川笑満里、植松黎、朽津芳彦、菊史佳、植村武文、和栗聡、鈴木健裕、堂前直、新井洋由、Anthony K. Shum、田口友彦
    • 学会等名
      第73回 日本細胞生物学会
  • [学会発表] 自然免疫分子STINGはtrans-Golgi networkにおいて下流キナーゼTBK1をリクルートする2021

    • 著者名/発表者名
      見目悠,向井康治朗,田口友彦
    • 学会等名
      第73回 日本細胞生物学会
  • [学会発表] ESCRT複合体の欠損はcGAS/STING経路に依存した炎症応答を引きおこす2021

    • 著者名/発表者名
      濱野栞里、朽津芳彦、向井康治朗、田口友彦
    • 学会等名
      第94回日本生化学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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