細胞膜上での受容体タンパク質の離合集散と脂質分子との相互作用によって、従来の考え方を超える細胞膜ダイナミクスについて新しい知見が得られてきている。本研究では、ヒトの主要な膜受容体を構成するGPCR(300種類)やRKT(60種類)のほぼすべてについて、活性化因子による周辺への情報伝達を網羅的に調べようとするものである。 研究代表者が約20年にわたって開発してきた分子間相互作用を観察可能な一分子計測技術などを発展させて、自動化と高速測定を実現することにより、客観性が高く、網羅性に富むデータの取得ができる。本研究の推進によって、生物細胞の新たな計測技術の発展が期待される。また、本研究の成果は、細胞膜ダイナミクスの新しい概念構築に貢献できる。
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