メダカ自然集団を用いて、環境応答遺伝子やそのネットワークを解明する研究である。繁殖へとシフトする臨界日長、臨界温度を感受・規定する候補遺伝子を、季節変動の異なる集団間の遺伝的交配による量的形質遺伝子座(QTL)解析等で同定・解析するとともに、季節適応による年周期リズムを動かす機構を、遺伝子発現レベルでのパスウェイやエピゲノム動態などを中心に解析を進める計画である。 地球上の生物にとって年周リズムは生存のために重要であり、その機構を理解する意義は大きい。本研究に先立ち、日本固有の各地のメダカの集団を用いて、季節に応答する仕組みや、体内に潜む年周リズムを刻む振動メカニズムに対する研究を進め、重要な知見を得つつある。本研究を継続することで、脊椎動物における季節変動リズムを刻むメカニズムの解明が期待される。
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