光合成は光の効率的な利用と光傷害からの回避のバランスの上に成立する。本研究では、進化の過程で被子植物が選択した戦略が、光合成の最適化に叶っていたか否かを問う。研究では、人工的な光合成経路をもつ植物体を作出し、様々な制御戦略を検証する。自然界に存在しない光合成制御機構を持つ植物を作成することで、それぞれの装置の役割を解明し、現在の制御機構が進化で選ばれた理由を明らかにするものである。 本研究は植物の光合成機構について、合成生物学的アプローチにより光合成制御機構を改変し、様々な制御戦略を検証することで、現存の制御機構が進化で選ばれた理由とその意義を明らかにする研究であり、基盤研究としてユニークで意義深い。さらに、光合成装置を改変し、光合成制御機能を最適化あるいは最大化した植物の創生をも目指しており、より効果的なエネルギー利用の可能な植物の創生も期待される。
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