研究代表者は、マイクロレンズによる前帯状皮質のカルシウムイメージングの過程で、場所細胞のように特定の位置ではなく、その空間であればどこでも反応する細胞を見出し「空間文脈細胞」と名付けた。このような抽象的な空間情報がどのようにして生成され出力されるのか、その神経メカニズムを、オプトジェネティクス手法等を使い明らかにする。 「空間文脈細胞」の同定は神経科学における重要な発見である。本研究では「空間文脈細胞」の形成過程における海馬リプレー、シナプス可塑性の変化を解析し、空間文脈の認識機構を解明する。また、場所細胞や格子細胞の情報をさらに統合・抽象化する過程は、空間認識だけでなく、脳の情報処理において普遍的な重要性を持っていると考えられるため、独創的で波及効果の高い研究計画であると言える。
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