研究課題
本研究においては、異常タンパク質蓄積を起点とする認知症の神経変性プロセスについて、様々な細胞が関与する「細胞病態」として捉えなおす。そしてこれらの細胞間相互作用について理解を目指し、1)凝集タンパク質が引き起こす細胞レベルでのストレス応答の理解、2)慢性的なタンパク質蓄積に対する細胞反応異常の解明、3)細胞病態を反映する診断法や介入に向けた新規技術開発、を目指して研究を遂行する。当該年度においては、Aβ蓄積バイオマーカーAPP669-711がマウスにおいても内因性に産生されていること、ヒトAβ蓄積モデルマウスにおいてAPP669-711、APP669-713、APP669-714が蓄積していることを見出した。アミロイド斑周囲における変性突起中のタウ病態増悪化に関わりうるメカニズムとしてsAPPβがタウの分泌を促進している可能性を明らかにした。γセクレターゼの活性中心サブユニットPresenilinが活性酸素種へのストレス応答やAβ42のプロセシングに関わっていることを明らかにした。アルツハイマー病リスク遺伝子INPP5DがミクログリアにおけるAβ蓄積感受シグナルに関わっていることを見出した。その上流にTREM2/DAP12が存在し、Aβ斑周囲の神経突起変性を抑制していること、INPP5DはTREM2シグナルの下流でPIP3からAKTを介したリン酸化カスケードに対する抑制因子であることを明らかにした。パーキンソン病原因遺伝子Rab29が恒常的に膜に局在化しており、通常のRabファミリータンパク質と異なることを見出した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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