抗体の分子中に存在する抗原、補体、受容体など様々な分子との相互作用部位の働きを連携させる仕組みが存在し、抗体分子のダイナミックな構造変化を通じて相互作用部位間の連関が制御されていると推測される。そこで、本課題では、先端計測と分子動力学計算をはじめとする理論的アプローチを駆使して、抗体の立体構造動態と相互作用の連関の詳細を明らかにする。 抗体分子中の新規な相互作用部位を発掘し、抗原認識からエフェクター機能の発動に至る分子機構の解明を目指すとともに、抗体が本来機能する場である膜表面や血液中における分子間相互作用の実態解明が期待される。さらに、抗体の機能連関とin situにおける動作を最適化するように分子構造を改変し、免疫系における機能向上をはかり、抗体医薬の次世代化に資することも期待される。
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