研究課題
基盤研究(A)
生体内の臓器の左右非対称性を生じるメカニズムについて、モデル生物としてゼブラフィッシュを用いて、発生過程で時空間的に解析する。とりわけ、前後軸・背腹軸形成に関わるWntとTGFβ/BMPとNotch、臓器サイズに関わるHippoとよばれる各シグナル経路がどのように活性化・不活性化されるかを調べ、左右非対称性の誘導、繊毛形成とその回転運動、心臓前駆細胞の集団的遊走などの機序を明らかにする。形態観察とイメージング技術を駆使することにより、生体の軸形成に関わる主なシグナル経路が発生過程で時空間的に活性化・不活性化されて左右非対称性を形成する機序を解明することが期待できる。生体の構造と機能の理解という観点から、心臓などの臓器の左右非対称性形成の原理を明らかにすることに大きな学術的意義がある。