本研究では好塩基球の生理的機能、病態形成における役割と分子機構について、アレルギー疾患、肺線維症などの病態モデルや活性化シグナル、細胞内代謝経路などの解析を通じて明らかにするものである。研究代表者は欠損マウスやレポーターマウスを作出し、独自の手法により好塩基球の新しい役割を数々報告している。本研究では、これらをさらに発展させ、好塩基球の新たな機能とその制御機構を解明するものである。 好塩基球のアレルギー・組織線維化・がんなどの病態形成における役割を解明することは、学術的のみならず社会的にも波及効果が期待できる。近年、様々な自然免疫細胞の存在が確認されるようになり、これまで見えてこなかったことが明らかにされるようになった。また好塩基球の新規役割やその存在意義を解明することにより、その成果の医療への応用の可能性も期待できる。
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