研究課題/領域番号 |
19H01028
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
黒崎 知博 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任教授(常勤) (50178125)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | メモリーB細胞 / 抗体 / 変異ウイルス再感染 / レパトア |
研究実績の概要 |
液性免疫発動に特徴的な現象、迅速・高親和性IgG抗体産生、を支えるメカニズムとして、一次感染時、メモリーB細胞は、その生成過程で高親和性IgG抗体を有する細胞のみ選択され、同じウイルスの2次感染時、迅速活性化されると、長い間考えられていた。このモデルでは、2度めに変異ウイルス、例えばパンデミックインフルエンザ(ドラスチックな変異が入り、大流行を引き起こす)感染時、最初のウイルスに対する高親和性IgG抗体有するメモリーB細胞はもはや反応できず、にもかかわらず、何故免疫記憶が成立するのが謎であった。 申請者らは、すでにメモリーB細胞が考えられているように高親和性ではなく、むしろ低・中親和性であることを既に明らかにしてきた。今回、インフルエンザウイルスの感染で、変異ウイルスを用いて2次感染さすと、産生された低・中親和性細胞のなかで、変異ウイルスにも広汎に反応する細胞が選択的に活性化され抗体産生細胞に分化し、結果的に生じた抗体が変異ウイルスに対しても中和活性を有することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変異ウイルス株に対する生体防御機構が順調に解明されてきた。
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今後の研究の推進方策 |
変異ウイルス2次感染により活性化されたメモリーB細胞の生体内での運命を詳細に追跡していく。
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