本研究は、腸内細菌由来メタボライトによる幹細胞制御と発がん機構解析、治療抵抗性とステムネスを制御するメタボライトの解析、メタボライトを指標としたがん不均一性の解析、という3つのアプローチから成り、がん細胞内の代謝産物だけでなく、腸内細菌叢が作り出す代謝産物の解析、さらにがんの不均一性の解析をも含めた、意欲的かつ挑戦的な研究計画である。 本提案は、研究代表者らのこれまでの研究成果に立脚して計画が立てられており、着実な成果が見込まれる。また、治療抵抗性を誘導する代謝物同定、CRISPR/CAS9ライブラリーを用いたスクリーニングなどが予定されており、学術的な発展へとつながる可能性が十分にある。さらに、腫瘍モデルを用いた食事による発症への介入や、新規代謝物センシングなども計画されており、研究成果ががん治療や予防に貢献することも期待される。
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