哺乳動物が環境適応して行動するために必須の運動学習は、大脳皮質、大脳基底核、小脳といった広域脳ネットワークにおける可塑性によって実現されている。本研究では、この運動学習を実現する広域脳ネットワーク回路の可塑的変化を、2光子イメージング法、電気生理学的手法、光遺伝学・化学遺伝学的手法、Creマウス、前肢レバー引き課題などの先端的手法を結集して、明らかにしようとする。 本研究では、運動学習がどのような広域脳ネットワーク可塑性によって実現されているかという、これまで世界中の多くの脳研究者が取り組んできた、深遠な学術的問いに対して明確な答えを与えると期待される。また、大脳基底核や小脳の機能異常とジスキネジア等の運動疾患の病態解明にもつながると期待されるため、社会的な波及効果も大きい。
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