研究課題/領域番号 |
19H01049
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
内田 信一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50262184)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | protein kinase A / AKAPs / AKAPs-PKA結合阻害 / 先天性腎性尿崩症 / 肥満症 |
研究成果の概要 |
腎臓集合管においてバゾプレシン/cAMP/protein kinase A (PKA)/AQP2水チャネルシグナル伝達系は尿濃縮力を調節する。最近、バゾプレシン2型受容体の異常により発症する先天性腎性尿崩症の治療戦略として、AKAP-PKA結合阻害剤FMP-API-1/27がPKA/AQP2を直接活性化することを発見した。FMP-API-1/27はLRBA-PKA結合を特異的に阻害しており、LRBAをノックアウトしたマウスはAQP2を活性化できず多尿になることを明らかにした。一方で、FMP-API-1/27の誘導体展開を進め、尿濃縮効果が高く経口投与で有効な化合物群を開発した。
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自由記述の分野 |
腎臓内科学関連
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LRBAは腎臓集合管においてAQP2の膜輸送を制御していた。LRBAはT細胞においてCTLA4受容体の膜輸送を制御することが知られており、免疫と尿濃縮において類似の膜輸送機構が存在すると考えられた。LRBAの機能不全は免疫不全症を引き起こすが、Lrba KOマウスには免疫不全の表現型がないことから生体内のLRBA機能を詳細に解析することが困難である。今後、腎臓におけるLRBA機能を解析することにより膜輸送の新しい基本原理の解明が期待できる。AKAP-PKA結合阻害剤は既存薬には無い新たなカテゴリーのPKA活性制御剤であり、化合物の分子標的を明らかにすることで新規研究分野の開拓が可能になる。
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