研究課題/領域番号 |
19H01052
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
門脇 孝 東京大学, 医学部附属病院, 客員研究員 (30185889)
|
研究分担者 |
岩部 美紀 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70392529)
岩部 真人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30557236)
山内 敏正 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40372370)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | アディポネクチン / アディポネクチン受容体 / 健康長寿 / 認知症 / 糖尿病合併症 |
研究実績の概要 |
アディポネクチン及びその受容体(AdipoR)の作用が肥満に伴い低下することにより、メタボリックシンドローム・2型糖尿病・動脈硬化症が引き起こされる。本課題では、AdipoRの新規シグナル伝達機構の全容とAdipoRの糖脂質代謝・細胞ストレス改善における生物学的意義を解明し、受容体研究のブレイクスルーを目指す。また、認知症・動脈硬化症などの糖尿病合併症に対するAdipoRの抑制作用とそのメカニズムを解明する。さらに、AdipoRの立体構造・機能情報に基づいたAdipoR活性化低分子化合物の最適化や抗体医薬の開発による認知症などの多彩な合併症の抑制と健康長寿実現への基盤となる研究を展開する。 (1)糖・脂質代謝改善メカニズムにおけるAdipoRの細胞内シグナル伝達機構の全容解明:in vitroの系において、AdipoR1/AdipoR2活性における基質特異性、さらに代謝産物に関して網羅的に解析した。さらに、CRISPR/Cas9システムを用いたAdipoR変異体マウスを作製した。 (2)各組織特異的欠損・病態モデルマウスを用いた病態生理的意義の解明:免疫細胞特異的AdipoR1欠損マウスおよび血管内皮特異的AdipoR2欠損マウス、さらに、AdipoR活性化低分子化合物、組織特異的ヒトAdipoR過剰発現マウスを用いてを用いて、全身の糖・脂質代謝に依存しない、各臓器におけるAdipoRの直接の抗動脈硬化作用を検討した。また、老化等のモデルマウスを用い、AdおよびAdipoR活性化低分子化合物が抗加齢・認知機能改善改善作用を有するかどうか検討した。 (3)ヒト化マウスを用いた化合物及び抗体の最適化及び安全性試験等による臨床応用への最終確認:新規に取得したAdipoR活性化低分子化合物群及び抗体について共結晶化の検討を行い、ヒト化マウスを用いたin vivoでの効果を検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時、予定していた研究項目((1)糖・脂質代謝改善メカニズムにおけるAdipoRの細胞内シグナル伝達機構の全容解明(2)各組織特異的欠損・病態モデルマウスを用いた病態生理的意義の解明(3)ヒト化マウスを用いた化合物及び抗体の最適化及び安全性試験等による臨床応用への最終確認)、全ての研究項目について、それぞれ令和2年度に予定していた計画内容について、当初の計画通り進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度については、当初予定していた計画内容について、ほぼ達成した上、さらに一部の研究計画については、当初の計画以上に進展している。そのため、本研究の推進において、研究体制及び研究計画に大幅な変更の必要性は低いと思われ、当初の計画通り、研究を推進する予定である。本研究課題のさらなる進展・加速を目指すべく、研究分担者・研究連携者を含めた各人の実験の精度の向上とスピードアップを図り、目的を早期に達成したいと考えている。
|