研究課題
難治性消化器癌のサブタイプ多様性とがん幹細胞多様性の解明に基づく先端的治療開発を目的として、(1)難治性がんサブタイプの多重ゲノム編集解析と治療開発、(2)がん幹細胞の生体内治療抵抗性因子を標的とした治療開発の二課題で構成する。先端的治療開発に加え、多施設臨床検体データを用いて前向き検証するシステムを備えている。がん多様性解明と臨床検体検証を基盤として、難治性消化器癌治療へ展開する実践的課題である。我々は臨床検体解析にてCTNNB1変異サブタイプが著しい免疫排除を呈することを報告しており(Shimada, Tanaka et al. EBioMedicine 2019)、本研究では多重ゲノム編集を応用してexon skippingによるin-frame変異を導入し、ヒト・マウスCTNNB1内因性変異肝癌細胞を構築した。オルガノイド免疫相互作用および同系統マウスモデル解析の結果、樹状細胞活性化ケモカインの発現阻害により腫瘍免疫反応が抑制されることを見出した。ヒト臨床検体にてCTNNB1変異サブタイプ特異的な樹状細胞活性化ケモカイン発現低下を検出し、ケモカイン遺伝子導入によりCTNNB1変異肝癌の免疫賦活化が誘導されることを明らかにした(Akasu, Tanaka et al. Sci Rep 2021)。CTNNB1変異肝癌では免疫チェックポイント阻害剤が無効であるという臨床結果や(Clin Cancer Res 2019)、樹状細胞活性化ケモカインによる抗腫瘍効果が報告されており(Cancer Discov 2019)、サブタイプ特異的複合免疫治療開発の可能性が示唆された(Shimada, Tanaka. IJCO, in press)。現在、転移性肝癌、転移性膵癌、スキルス胃癌などを多重ゲノム編集およびRNA編集にて作成し、がん幹細胞性を制御する新規治療開発を進めている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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https://www.tmd.ac.jp/press-release/20210824-1/