研究課題/領域番号 |
19H01082
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
亀井 智子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80238443)
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研究分担者 |
中山 優季 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, プロジェクトリーダー (00455396)
山本 由子 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (00550766)
亀井 延明 明星大学, 理工学部, 教授 (20233968)
抱井 尚子 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (20348460)
東福寺 幾夫 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (30383144)
西村 直樹 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医長 (60572203)
光永 悠彦 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (70742295)
金盛 琢也 浜松医科大学, 医学部, 講師 (80745068)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | テレナーシング / 遠隔モニタリング / 慢性疾患 / 在宅ケア / 混合研究法 |
研究実績の概要 |
①デュアルモニタリング型テレナーシングシステムの修正と再構築:ウェアラブル機器、および無線通信によるバイタル計測機器を取り入れ、症状や日常生活に関する問診を含むテレナーシングシステムを開発した。試用調査により、無線通信が家庭内で機能しない問題、ウェアラブル機器が、高齢者では前腕にフィットしないこと、睡眠の計測ができないなどの問題が生じた。これらの修正のためには、機種を変更する判断を最終的に行った。モニターセンター側の機能も記録の上書きなどの問題が生じ、多くの改修が必要となった。 ②テレナーシング利用者のデータ集積:3名の慢性疾患高齢者にテレナーシングシステムの利用調査を行った、モニタリングデータにはトリガーポイントを設定し、看護プロトコルに従って、テレナーシングを提供し、記録に残した。①で示したシステム上の課題のため、当初の予定ほどではなかったが、事例集積を進行中である。 ③国内看護系大学を対象としたテレナーシング教育の実態調査:看護系大学287校を対象として、テレナーシングの教育カリキュラムへの位置づけ、教育時間数、教育上の課題について質問紙調査を行った。回答率は非常に低かったが、8校のみが学部教育において、テレナーシングについて教育を行っていた。教育する人材がないなどの課題が明確化した。 ④③にもとづくテレナーシング実践にためのeラーニング教材のコンテンツ作成:前述の実態調査から、教育する人材の不足を補う上でも、eラーニング教材作成の意義を認めたため、テレナーシングに必要なリテラシーを身につけるための44コンテンツを明確化した。 ⑤学会への協力による、テレナーシングガイドライン開発:本研究成果を生かし、テレナーシングガイドラインの編集と執筆を行った。わが国独自のテレナーシングの定義がない中、このガイドラインはテレナーシングの定義、具体的方法、モニタリングの方法などを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①のテレナーシングシステムの開発については、開発業社3社との定期的ディスカッションを行い、なぜうまくデータ取り込みができないのかを洗い出し、不具合の理由を明確化した。改修を進める一方で、体重計、腕時計型血圧計の機種を全面的に交換し、再度別業社と話し合い、改修したテレナーシングシステムの作成をほぼ終えるに至り、今後試用調査を行う計画である。 ②のテレナーシング利用者のデータ集積については、これまでに3例の慢性疾患在宅療養者に適用し、6か月以上の長期的なモニタリングによるテレナーシング実践を重ねており、日々のモニタリングデータを集積中である。また、COVID-19の影響による新規利用者開拓が難しかった。今年度の知見は、縦断的混合研究法ケーススタディとして国際誌に論文投稿し、掲載決定の判定を得たところである。 ③の国内看護系大学を対象としたテレナーシング教育に関する調査については、質問紙の作成、郵送調査の実施、データ解析を行い、報告書冊子を作成した。また結果を論文にまとめ、和文誌への投稿を行い、掲載誌が刊行された。 ④のテレナーシング教育用eラーニング教材開発については、教育コンテンツの洗い出しを行い、内容の順序性を検討し、研究分担者に担当いただくコンテンツについて、調整を終えた。 ⑤のガイドライン作成については、目次案の作成、執筆者の調整を行い、現在編集・校正中であり、近日刊行の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きウェアラブル機器を取り入れたテレナーシングシステムの完成をめざし、打ち合わせと改修を進める。システムの完成を見越しながら、対象者のリクルートを継続し、事例の集積を進めていく。eラーニング教材の作成については、動画の作成、システムへの搭載を進め、視聴を開始して、内容の評価を進めていく。
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