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2021 年度 実績報告書

脳の発達と腸内細菌

研究課題

研究課題/領域番号 19H01086
研究機関東京大学

研究代表者

多賀 厳太郎  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (00272477)

研究分担者 佐治 量哉  玉川大学, 農学部, 准教授 (90453670)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード発達 / 脳 / 腸 / 乳児 / 自発活動
研究実績の概要

(1)脳の自発活動と代謝 睡眠中の2-3ヶ月児の自発的な神経活動に関わる脳波(EEG)と自発的な脳組織血液の酸素化動態に関わる機能的近赤外分光法(fNIRS)のデータの分析を進めた。fNIRS信号の自発的変化に関して、脳領域間の同期性は動睡眠で強く、静睡眠で非同期的であった。ヘモグロビンの酸素化動態(hPod)は睡眠ステートに影響を受けにくかった。また、静睡眠のEEGに紡錘波(スピンドル)が周期的に現れ、酸素化ヘモグロビンの減少とリンクしていた。この現象より、静睡眠中には、脳活動の抑制が脳領域間で非同期的に生じていることが示唆された。

(2) 腸内細菌と脳の相互作用 昨年度取得した腸内細菌叢の組成データよりその特徴量を算出した。脳活動データについては、睡眠ステートに分類した上で、EEGの紡錘波やクロス周波数結合、fNIRSによる機能的結合やhPood等の特徴量を算出した。これらの間の関係性を探った。

(3) 腸内細菌の発達に関する縦断研究 4名の乳児において、糞便の採取を繰り返し行った(生後6日から583日までの間に、81回から149回採取)。16SrRNAメタゲノム解析によって遺伝子配列を決定する手法により、個人内での腸内細菌叢の動態情報を得た。3ヶ月未満でのデータを多数含む2名において、新生児期に優勢であったブドウ球菌属は3ヶ月ごろまでに激減した。また、ビフィズス菌が出生後増加し、3ヶ月前後にピークがあった後に減少した。このことは、脳の機能的ネットワークの発達が急激に起きる時期と一致していることを示している。さらに、4名すべてにおいて、6ヶ月以降に細菌叢の多様性が劇的に増えた。これらのデータには、週・月の時間スケールでの動的な変化の情報が含まれており、今後、細菌種間の相互作用などの推定や脳の発達の特定の事象に関するタイミングとの関連を調べるのに有用であると考えられた。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Oscillator decomposition of infant NIRS data.2022

    • 著者名/発表者名
      T Matsuda, F Homae, H Watanabe, G Taga, F Komaki
    • 雑誌名

      PLoS computational biology

      巻: 18 ページ: e1009985

    • DOI

      10.1371/journal.pcbi.1009985

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Global entrainment in the brain-body-environment: retrospective and prospective views2021

    • 著者名/発表者名
      G. Taga
    • 雑誌名

      Biological Cybernetics

      巻: 115 ページ: 431-438

    • DOI

      10.1007/s00422-021-00898-2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 脳の発達2021

    • 著者名/発表者名
      多賀厳太郎
    • 雑誌名

      CLINICAL NEUROSCIENCE

      巻: 40 ページ: 300-303

  • [学会発表] 乳児における睡眠紡錘波とヘモダイナミクスの連関2021

    • 著者名/発表者名
      多賀厳太郎・渡辺はま
    • 学会等名
      日本赤ちゃん学会第21回学術集会
  • [学会発表] 胎児期・新生児期 ・乳児期の生体情報 から紐解くヒトの初期発達2021

    • 著者名/発表者名
      渡辺はま
    • 学会等名
      第39回日本生理心理学会シンポジウムI「胎児期・新生児期・乳児期の生体情報から紐解くヒトの初期発達」
  • [学会発表] 乳児の睡眠を測る2つの視点~「動きながら眠る」ことが示唆すること~2021

    • 著者名/発表者名
      佐治量哉
    • 学会等名
      第39回日本生理心理学会シンポジウムI「胎児期・新生児期・乳児期の生体情報から紐解くヒトの初期発達」
  • [学会発表] 乳児前期における昼間の睡眠確率と出生順位の関係2021

    • 著者名/発表者名
      佐治量哉・田村典子
    • 学会等名
      日本赤ちゃん学会第21回学術集会
  • [学会発表] 睡眠紡錘波の左右大脳半球の非同期性分析・その発達変化2021

    • 著者名/発表者名
      佐治量哉
    • 学会等名
      統計数理研究所共同研究発表集会

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公開日: 2022-12-28  

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