研究課題/領域番号 |
19H01097
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊藤 智義 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (20241862)
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研究分担者 |
下馬場 朋禄 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (20360563)
角江 崇 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (40634580)
西辻 崇 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (70826833)
市橋 保之 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波応用総合研究室, 主任研究員 (80593532)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ホログラフィ / IoT / FPGA / 3次元映像 / 回路 |
研究実績の概要 |
コンピュータと融合したホログラフィは究極の3次元映像計測技術と期待されている.しかし,ホログラフィ技術が発明されてから70年を経た現在においても実用化さていないグランドチャレンジなテーマとして残されている.課題はホログラフィ計算の高速化とホログラムを表示するディスプレイの高精細化・大型化である.本研究では,計算の高速化については内部の回路を書き換え可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いてホログラフィ計算専用チップを開発し,ホログラムの表示については世界最大規模の高精細液晶ディスプレイ(LCD)を活用する. 本年度は,主として,FPGAを搭載した市販の基板を用いてホログラフィ計算専用チップの回路開発と,世界最大規模の高精細液晶を利用したディスプレイの開発に取り組んだ.具体的には,画素ピッチ3.5μm,解像度7,680×4,320(8K4K)=3,300万画素の世界最大規模の高精細液晶ディスプレイパネル(LCD)を用いたコンピュータホログラフィシステムを構築した.超高速をめざしているホログラフィ計算専用チップについては,FPGAの内部にCPUが組み込まれているSoC(Silicon-on-Chip)を利用して,IoT(Internet of Things)デバイスとして機能するかどうかを確認した.現在,開発したディスプレイと計算ボードを組み合わせて,ホログラムによるVRシステム(ヘッドマウントディスプレイ)が実現可能かどうかを検証しているところである. 上記に加えて,コンピュータホログラフィを実現するために有用な種々のアルゴリズムの研究成果も上がっている.特に,自然光によるホログラムを利用したインコヒーレントホログラフィでは,本研究グループにおいても重要な知見が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成果発表はこれからになるが,当初の予定通り,世界最大規模の液晶ディスプレイパネルを駆動することに成功した.並行して,FPGAを利用して制御回路を組み込んだIoTデバイスの開発も順調に進み,論文等として成果発表を行った. 研究を進めていく中で,非干渉性の光源(自然光)を用いるインコヒーレントホログラフィについて良好な知見を得た.この成果についても論文等で発表を行った.
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今後の研究の推進方策 |
最初の大きな目標であった画素ピッチ3.5μm,解像度7,680×4,320(8K4K)=3,300万画素の世界最大規模の高精細液晶ディスプレイパネル(LCD)の開発に成功したので,今後,並行して研究を進めてきたFPGAによるIoTデバイスと組み合わせて,ホログラフィによるヘッドマウントディスプレイに向けた研究開発を展開する. 最近の知見として,自然光でホログラムを作成するインコヒーレントホログラフィがコンピュータホログラフィが注目されている.本研究グループにおいても重要な成果が上がっており,インコヒーレントホログラフィについての研究も並行して進める.
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