研究課題/領域番号 |
19H01101
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡辺 尚 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (90201201)
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研究分担者 |
藤橋 卓也 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (10785520)
木下 和彦 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (40304018)
猿渡 俊介 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50507811)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 無線ネットワーク / メディアアクセス制御 |
研究実績の概要 |
R2年度は以下に取り組んだ. (1)電波資源をより高次利用するL2技術とその関連技術:省電力化,端末多様化,高次利用等の設計をさらに進めた.低消費電力のバックスキャッタ方式等を利用する方式について検討した.バックスキャッタ方式は,デバイスが到来した電波を情報に応じて吸収あるいは反射し,受信機が検知する.デバイスは送信に必要な電力がほとんど不要となり,電力を削減できる.シミュレータ等により性能を検証し新たな方式を設計した.また,電波暗室を利用して評価実験を行った.さらに,飛行船等の高高度プラットフォームHAPや低軌道周回衛星LEOを用いたNon Terrestrial Network(NTN)のL2技術として,NTNのアクセス方式についてサーベイを行った. (2)異種無線システムを適応的に利用するL3技術とその関連技術:高次無線方式の基礎設計を行うとともに,その基礎性能をシミュレータによって評価した.具体的には,センシング等による環境観測方式と異種無線システムの適応的併用のための仮想化方式を開発し,実APをユーザ(群)が必要とする資源量に応じて仮想APに割り当てる方法のさらなる検討を行った.また,NTNについては,階層型セルレスNTNの提案とその基礎構成について検討した. (3)電波資源を柔軟に利用可能とするL4技術とその関連技術:高次レートレストランスポートの基本設計を行った.特に,仮想マシン(VM)の動的移動を行う方法として,VMのサイズや圧縮率と回線効率を勘案した方式の基礎を検討した.また, 新たなNTNアプリケーションに関する検討を行った. (4)マルチメディア伝送に特化したクロスレイヤ技術とその関連技術:VRやゲーム画面の伝送を想定し,ユーザ特性を機械学習等を用いた方法で把握する方法を検討した.また,把握した結果に基づいて遅延補償を行う方式などを考案した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を著名な国際会議(IEEE ICC, Globecom),論文誌(IEICE Transactions, IEEE Access)にて発表しており,順調に進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
(1)電波資源をより高次利用するL2技術とその関連技術:省電力化,端末多様化,高次利用等の要素技術を洗練する.特に,バックスキャッタを用いた省電力情報通信方式に関して複数端末の方式などを開発する.非地上ネットワークNTNについて,通信路容量やメディアアクセス方式に関して検討を行う. (2)異種無線システムを適応的に利用するL3技術とその関連技術:さらに高次無線方式技術を検討する.要求のクラス分けに基づいた仮想AP方式のアルゴリズムを考察する.NTNについては,複数階層にまたがったルーティング方式を検討する. (3)電波資源を柔軟に利用可能とするL4技術とその関連技術:仮想マシン(VM)を動的に移動する方式については,ユーザやアプリケーションの特性,さらにはプライシングモデルを考慮する方式を検討する.NTNに関しては,ゲーム・eスポーツ伝送、IoTデータ伝送、海洋自動航行データ伝送等のアプリケーションを考慮した構成方法を検討する. (4)マルチメディア伝送に特化したクロスレイヤ技術とその関連技術:高次統合プロトコルの設計を行う.特に,VRやゲーム画面を伝送する方式について検討する. 以上の成果を著名な国際会議(IEEE ICC, Globecom),論文誌(IEEE Transactions, IEEE Access)にて発表する.
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