研究課題/領域番号 |
19H01104
|
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
林 優一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (60551918)
|
研究分担者 |
藤本 大介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60732336)
Kim YoungWoo 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (30862403)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 電磁情報セキュリティ / サイドチャネル攻撃 / 電磁環境 / 暗号・認証 |
研究実績の概要 |
本年度は、情報機器からの電磁波を通じた情報漏えいを評価する技術の開発を継続して行うと共に、漏えいメカニズムの解明についても検討を進めた。情報漏えい評価技術に関しては、評価対象となる機器内部の「漏えい源」から「計測位置」までの伝達関数に着目し、機器内部に漏えい源が複数ある場合に関しても、観測する周波数・観測場所を変化させることで高精度に情報を復元し、評価できることを示した。漏えいメカニズムの解明に関しては、漏えいの担い手となる電磁界を正確に把握することで「漏えい経路」を正確に把握することが可能であることを示し、漏えいを引き起こす基板上の経路に寄与する設計パターンや素子配置などを明らかにした。こうしたメカニズムの解明には、情報機器をモデル化した情報漏えい評価基板とそれに対応したシミュレーション手法の双方を活用した。また、機器の利用環境も漏えいに寄与することを明らかにし、特に機器が設置される素材や機器に接続された給電線が漏えい電磁波の伝搬する範囲に影響を与えることを示した。また、電磁波の相反性に着目し、上記の知見を応用し、機器外部から電磁波を通じた情報漏えいをアクティブにコントロールできる可能性についても引き続き検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、評価技術開発を継続すると共に、情報漏えいメカニズムについても検討を進め、当初の計画を達成している。また、対外的な成果の公表としてIEEE Transactions on Electromagnetic Compatibilityに論文が採択されると共に、国際共著論文も採択されている。さらに、本成果のアウトリーチ活動として提案した電磁情報漏えいに関するスペシャルセッションも環境電磁工学分野の主要な国際会議である2020 IEEE International Symposium on EMCに採択された。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はこれまでに開発した評価環境、評価手法、シミュレーション手法を用いて情報機器から電磁波を通じた情報漏えいメカニズムの詳細を検討すると共に、メカニズムに基づいた情報漏えい対策手法についても検討・開発を進める。
|