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2020 年度 実績報告書

次世代分子動力学シミュレーション専用計算機の基盤開発

研究課題

研究課題/領域番号 19H01107
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

泰地 真弘人  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (10242025)

研究分担者 大野 洋介  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級技師 (00291914)
小山 洋平  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (10569817)
森本 元太郎  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 技師 (60401220)
小松 輝久  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (70348499)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード専用計算機 / 分子動力学計算 / 高性能計算 / コデザイン / システムオンチップ
研究実績の概要

本研究の目的は、次世代の分子動力学シミュレーション専用計算機MDGRAPE-5で用いるSystem-on-Chip (SoC)の基礎開発を行うことである。現行世代MDGRAPE-4Aの性能ボトルネックを解析し、さらにハードウェアへのDeep Integrationを進めることでそれらを解消する。2020年度は、SoCの具体的な設計を進めた。特に、結合力計算を加速するための演算装置Bond Engineの基礎設計を進めた。特殊命令をもつプログラマブルなマルチスレッド対応プロセッサを採用することとした。3次元ベクトル処理向けのベクトルプロセッサ、結合力計算向けの特殊命令をもつスカラプロセッサからなるプロセッサを設計している。計画には含めていなかった部分として、粗視化モデルへの対応も検討を進めた。また、結合力に対する補正項であるCMAPの演算について解析を行い、プロセッサ設計に向けた検討を行った。さらに、チップ内でのイベントを監視し、プログラムの流れをデータフロー的に制御するQuick Event Driver(QED)のC++モデルの開発を進めた。ネットワークについては、 チップ間のトーラスネットワークTorus Interconnect Network (TIN)の開発に着手した。Chiselの機能を活用し、パラメタによる変更が容易になるような設計を進めている。また、非結合力パイプラインの書き直しを進めている。ハードウェア記述は全てChisel3言語を用いて進めている。基盤となるライブラリとして、精度可変の浮動小数点演算や特殊関数、ネットワークやメモリ向けの符号化・復号化を含むライブラリRIAL (Riken Arithmetic and Logic Library)の拡張を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究のオリジナルの計画では、「(A) 現在のSoCに存在する性能ボトルネックを解明し、(B)その問題を解決するための設計指針を示し、(C) 優先順位をつけて 詳細設計までを行う」こととしていた。2020年度は、パイプラインや演算部について(C)まで進めている。優先対象としていた以下の項目「①汎用プロセッサ:結合力計算の実行効率が低い。 ②汎用プロセッサ:メッセージ処理が遅く、自動化の必要性がある。③ネットワーク :分割送信時の到着確認のコストが高く、改良が必要。④ネットワーク: オンチップネットワークとチップ間ネットワークを統合し、 汎用プロセッサから他チップに直接送信可能にする。」については、①はBond Engine、②はQuick Event Driver、③はTorus Interconnect Networkとして開発を進めている。④は現在別プロジェクトでオンチップネットワークの開発を進めており、完成後に転用できる見通しである。その他、粗視化モデルの取り込みについても進めている。

今後の研究の推進方策

今後は、具体的な設計を行いながら性能評価を行う。長距離力計算部については、再設計に手が付けられていないので、これに着手する。全体をChisel3言語で書き直し、統合する。シミュレータでの評価を行うと共に、FPGA(書き換え可能ゲートアレイ)状に実装を行う。この上で性能評価を行い、研究開発目標を達成する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Drug Binding Dynamics of the Dimeric SARS-CoV-2 Main Protease, Determined by Molecular Dynamics Simulation2020

    • 著者名/発表者名
      Teruhisa Komatsu, Noriaki Okimoto, Yohei M. KOYAMA, Yoshinori HIRANO, Gentaro MORIMOTO, Yousuke OHNO, Makoto Taiji
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 ,16986 ページ: 1-11

    • DOI

      10.26434/chemrxiv.12332678.v1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] MDGRAPE-4A: a spercial-purpose supercomputer for molecular dynamics simulations2021

    • 著者名/発表者名
      森本 元太郎
    • 学会等名
      RIKEN BDR Symposium 2021 “Structuring Biosystems: Functions Emerging from Molecules”
  • [学会発表] Molecular dynamics study of the dimeric SARS-CoV-2 main protease with 7 HIV inhibitors2021

    • 著者名/発表者名
      小松 輝久
    • 学会等名
      RIKEN BDR Symposium 2021
  • [学会発表] 医薬を設計するための専用高性能RISC-Vコンピュータ2020

    • 著者名/発表者名
      泰地 真弘人
    • 学会等名
      RISC-V Day Tokyo 2020
    • 招待講演
  • [学会発表] RISC-V Dedicated High-Performance Computers for Designing Medicine2020

    • 著者名/発表者名
      泰地 真弘人
    • 学会等名
      RISC-V Day Vietnam 2020
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 分子動力学シミュレーション専用計算機MDGRAPE-4Aの開発2020

    • 著者名/発表者名
      泰地 真弘人
    • 学会等名
      第33回 回路とシステムワークショップ
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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