2022年度には,(1)実世界物体を対象とした「質感+三次元」イメージングの展開,(2)簡易なイメージングセットアップによる三次元計測技術,及び,(3)獲得した法線から面としての三次元形状(メッシュなど)を復元するための法線積分について検討を進めた.項目(1)では,多波長照度差ステレオ及び未較正照度差ステレオ法に関する研究を進め,より実用的な質感+三次元推定技術の開発を行った.項目(2)では,スマートフォン上のカメラとLEDを利用した簡易なイメージングセットアップによる三次元復元技術を開発し,屋内・屋外シーンにおける提案手法の有効性を確認した.項目(3)では,新たに双方向(bilateral)的な法線積分法を開発し,既存手法に比して高精度に三次元形状の復元が可能となることを示した.これらの結果として,コンピュータビジョン研究分野のトップ国際論文誌であるIEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence (TPAMI)へ1本,International Journal of Computer Vision (IJCV)へ2本,トップ国際会議の一つであるEuropean Conference on Computer Vision (ECCV) 2022にて1本の論文を発表した. 本研究課題は今年度でひとまず終了とし,次年度から関連する内容を基盤S研究にて加速させる予定である.
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