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2019 年度 実績報告書

VR/AR空間における広域な移動と重力感覚の提示が可能な全身型力覚提示スーツ

研究課題

研究課題/領域番号 19H01127
研究機関中央大学

研究代表者

中村 太郎  中央大学, 理工学部, 教授 (50315644)

研究分担者 奥井 学  中央大学, 研究開発機構, 機構助教 (20823488)
西濱 里英  中央大学, 研究開発機構, 専任研究員 (30787172)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード力覚提示システム / 重力感覚提示 / バーチャルリアリティ / 人工筋肉 / 可変粘弾性アクチュエーション / ベクション効果 / フィジカルインターラクション
研究実績の概要

本研究では、「広域な移動」と「重力感覚の提示」を可能にする全身型力覚提示スーツを 提案し、本スーツをVR/AR空間に適用した時の視覚と力覚における人間の感覚や知覚の相互 作用の効果について明らかにする。
2019年度は、下肢動作の重力知覚の基本的な動作解析と視覚と力覚情報の相互作用による提示効果の解明とその制御方式の確立について検討した。特に装着型でユーザが靴のように装着することができ,水中や泥寧の上の歩行感覚,また落下感覚を提示可能な装置の開発を目指す. 本年度では,装置開発の第一段階として落下感覚提示のために必要となる人間の落下感覚の評価をおこなった.
現実空間での落下感覚と同様の落下感覚を仮想空間で実現するには,装置で提示する降下加速度,降下速度,降下高さ等の条件を現実空間での条件と一致させるのが望ましい.しか
し,その条件を満たすためには,装置の巨大化に加え,ユーザの危険も増すため,ユーザが装着し仮想体験をする装置には適さない.そこで,著者らは,現実空間での降下加速度,降下
速度,降下高さ等の条件と装置で提示する降下加速度,降下速度,降下高さ等の条件が異なる条件下でもユーザの落下感覚覚を満足させる装置の開発を目指す.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度の目標は、下肢力覚提示システムを設計するための仕様決定を目的として、重力感覚における提示システムの開発とそのシステムを用いた感覚提示実験を遂行することであった。これら2点の目標はおおむね達成されており、上記の進捗状況の区分に至っている。詳細を以下にしめす。
まず重力感覚提示システムの開発について述べる。本装置は被験者に床が抜けたときのような落下感覚を提示するために,油圧式作業台リフタを用いる.本リフターは人をテーブル上に乗せることで落下感覚を提示でき、その降下速度を変更することができる.この装置にステッピングモータ,ギア,ロータリーエンコーダから構成されたアクチュエータシステムを装着し落下装置の自動制御化を行った。
さらに実験に関しては、開発する下肢力覚提示装置が落下感覚提示のために必要とする降下加速度の大きさを明らかにする必要がある.このために,視覚映像を変えず現実世界の降下加速度を変え,その降下加速度の違いが生む,映像と同程度の高さからの落下感覚(現実感)と被験者のバランス感覚(安全性)の変化を明らかにする.本実験では被験者を降下台の上に立たせ,視覚映像として地上 3 m程度の高さから落下する映像を提示した状態で実際に台を降下させ,この時に感じる現実感と安全性について評価した.その結果、映像と体感の感覚のずれに関しては,降下加速度-1000 mm/s2と-150 mm/s2の間で,降下加速度-500 mm/s2と-150 mm/s2の間の有意確率は0.048 となりにおいて有意差を確認した.

今後の研究の推進方策

2020年度は、前年度の重力感覚提示におけるデータの補足的かつ詳細なデータ得るための実験を遂行する。ぐたいてきには、実験結果から,現実空間の重力加速度よりも小さい降下加速度でも比較的高い落下感覚を被験者に与えられることを確認した.よって,今後製作する装置では重力加速度よりも小さい降下加速度を提示し,ユーザに落下開始時の感覚を与える.本実験により得られた知見から、下肢の装着型の重力感覚提示装置の仕様を決定するともに、装置の開発に取り組む。さらに、視覚情報の充実を検討するため、HMDに表示する視覚空間の工夫も検討していく。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] Fundamental characteristics for elasticity of a force feedback method using elastic spring and magneto-rheological fluid clutch2020

    • 著者名/発表者名
      M. Ooba, Y. Onozuka, M. Okui, T. Nakamura
    • 学会等名
      IEEE/SICE International Symposium on system integration (SII2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] Proposal of a force feedback method using elastic spring and magneto-rheological clutch aimed to rendering friction and elasticity2019

    • 著者名/発表者名
      M. Ooba, Y. Onozuka, M. Okui, T. Nakamura
    • 学会等名
      The 17th International Conference on Electrorheological Fluids and Magnetorheological Suspensions
    • 国際学会
  • [学会発表] Rendering friction and viscosity using a wearable 4 degrees of freedom force feedback device with magnetorheological fluid clutches and pneumatic artificial muscles2019

    • 著者名/発表者名
      Y. Onozuka, M. Oba, M. Okui and T. NakamuraY. Onozuka, M. Oba, M. Okui and T. Nakamura
    • 学会等名
      Proceedings of the 45st Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Society (IECON2019)
    • 国際学会
  • [学会発表] MRブレーキと弾性バネを用いたパッシブ型可変粘弾性提示装置の開発2019

    • 著者名/発表者名
      大場実,小野塚祐樹,奥井学,中村太郎
    • 学会等名
      秋季フルードパワーシステム講演会2019
  • [学会発表] Bio-inspired Soft Robotics: Application of Pneumatic Artificial muscle into practical uses2019

    • 著者名/発表者名
      Taro Nakamura
    • 学会等名
      IEEE International Symposium on Soft Robotics
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 空気圧ゴム人工筋肉と磁気粘性流体クラッチを用いた装着型4 自由度力覚提示装置による粘性提示2019

    • 著者名/発表者名
      小野塚祐樹,大場実,奥井学,中村太郎
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会2019
  • [学会発表] 弾性バネと磁気粘性流体クラッチを用いた力覚提示手法の基礎特性2019

    • 著者名/発表者名
      大場実,小野塚祐樹,奥井学,中村太郎
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会2019
  • [備考] 中央大学 中村研究室 HP

    • URL

      http://www.mech.chuo-u.ac.jp/~nakalab/index.html

  • [備考] 装着型ARハプティクス

    • URL

      http://www.mech.chuo-u.ac.jp/~nakalab/study/haptics/wearable.html

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公開日: 2021-01-27  

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