研究課題/領域番号 |
19H01143
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
竹内 望 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (30353452)
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研究分担者 |
植竹 淳 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (40455473)
瀬川 高弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (90425835)
米澤 隆弘 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (90508566)
幸島 司郎 京都大学, 野生動物研究センター, 名誉教授 (60183802)
服部 祥平 東京工業大学, 物質理工学院, 研究員 (70700152)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 氷河 / 雪氷生物 / 藻類 / 生態系 / 積雪 / 栄養塩 / 極限環境 / アルベド |
研究成果の概要 |
氷河の融解を加速する原因の一つである氷河上の微生物の繁殖域の拡大の要因の解明を目的に,主に氷河調査と雪氷試料の分析を行った.微生物繁殖を再現する繁殖数理モデルを作成し雪氷藻類繁殖をシミュレーションした結果,繁殖域拡大には降雪頻度の減少と融解期間の長期化が重要であることが明らかになった.氷河試料の顕微鏡分析やメタゲノム解析の結果,アジアと北極圏では光合成微生物群集が機能遺伝子を含め対照的な違いがあること,ツボカビという感染性菌類が藻類繁殖を制御していることが明らかになった.以上の結果から,微生物の繁殖域の拡大には気候や環境の変化に加え,生態系内の種間関係の変化も影響していることがわかった.
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自由記述の分野 |
雪氷生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の学術的意義は,まだ限られた情報しかなかった氷河や積雪に生息する低温環境に適応した多様な微生物の生態,およびそれらの微生物が雪氷表面を暗色化させる効果を明らかにしたことである.具体的には,雪氷微生物の繁殖域の拡大過程を初めて定量的に示したこと,微生物の地理的な分布の違いを示したこと,未知の雪氷微生物の種間関係の存在を初めて明らかにしたことである.これらの成果は,生物と環境の相互作用の理解,地球温暖化で注目される雪氷圏変動の将来予測の精緻化とともに氷河融解を抑制するバイオ=ジオエンジニアリングの確立に資するものである.
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