研究課題
元素に汚染された飲用水の健康リスクを評価するためには、「元素曝露状況を解明するフィールドワーク研究」と「環境の影響を受けた個体に対する実験研究」の両方を推進することが必要である。本研究は、元素経口曝露により誘発される健康障害を予防することを目的とし、1)飲用水元素汚染の現状を把握するとともに、2)疫学研究と実験研究を組み合わせて元素の健康リスクをオーダーメイドで評価できる技術を開発し、浄化すべき元素を特定し、3)オーダーメイドで有害元素を吸着できる浄化技術を開発する。さらに、途上国の研究成果を参考とし、4)日本住民における元素の健康影響を評価することで、日本に成果を還元する。本年度は、途上国における成果を参考としながら日本に在住するヒトにおける元素の健康影響を評価する研究を推進した。2,709名の日本在住者を対象とした疫学研究により、魚肉の過剰摂取により血清総ヒ素濃度が増加することを示した。さらに、血清総ヒ素濃度と高血圧有病率には、正の相関関係があることを示した。さらに、媒介解析を用いて、魚肉の過剰摂取により血清総ヒ素濃度が、高血圧有病率を上げる可能性を示した。具体的には、1日1回以上の魚肉摂取が高血圧のリスクを上げることを初めて示した。また、推定ヒト相当量の魚肉に含まれるヒ素の経口曝露により、有意に収縮期血圧が上昇することを、マウスを用いた動物実験で証明した。日常的な食生活における魚肉摂取の増加は、世界的なトレンドであることを考慮すると、本研究成果は、日本だけでなく地球規模で意義がある成果であると推察できる(Eur Heart J Open 2023)。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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