研究課題/領域番号 |
19H01152
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
掛山 正心 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30353535)
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研究分担者 |
浜田 道昭 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00596538)
久保 健一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (20348791)
皆川 栄子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第四部, リサーチフェロー (20726252)
前川 文彦 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (40382866)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 環境医科学 / 環境脳科学 / トランスレーショナル・リサーチ |
研究実績の概要 |
我々は動物実験により、ダイオキシン等の胎仔期曝露が認知機能を低下させることを認知課題成績と神経細胞の微細形態変化の双方で報告した。本研究では到達目標を、ダイオキシン等の発達期曝露が認知症の発症・増悪に関与する科学的知見を集積し、認知症の毒性エンドポイントとしての重要性を示すことにおく。(1)ダイオキシン等によって老年期に生じる認知的柔軟性の低下に焦点をあて、ヒト調査ならびに動物毒性実験により、影響の質と程度、そしてその毒性機構を明らかにして、(2)その成果をもとに、ヒト調査ならびに動物毒性実験において、高次認知機能の表現型解析技術を確立することを目的としている。 昨年度に引き続き、ヒト・コホート調査と動物毒性実験を実施する基盤整備を進めた。ヒト調査で用いる課題アプリについて、タブレット端末での課題提示によるリモート評価を行った。動物実験では認知的柔軟性と脳活動の定量評価を行うため、曝露動物ならびに遺伝子組換えモデル動物の作成を行った。 IntelliCageを用いた課題とともに、タッチスクリーンオペラント実験装置を用いた課題の確立も行なった。理化学研究所との共同研究により、アルツハイマー病モデルマウスをについては、さらに表現型解析を生化学解析を行った。本プロジェクトで取得するデータをモデリングするためのメタ解析についても進めた。 実験動物の飼育維持に大幅な障害が生じたが、所属機関から研究維持のための多額の支援をうけ、大幅な遅延を生じさせずに行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19による影響を受け、ヒト試料の回収に遅延が生じているが、そのぶん動物実験を進めており、全体としては概ね計画通り進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19による影響については、動物飼育管理において多額の費用が発生しているが、早稲田大学からの支援が決定し、予定通り研究を進めることができた。ヒト調査における生体試料の収集に遅延があるが、動物実験において有望な知見を得ているため、その成果を中心に研究を推進する予定である。
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