本研究では、独自のイオン交換樹脂触媒法を用いて、廃棄物系脂肪酸を原料とするさまざまな脂肪酸エステル合成に取り組み、それらの熱化学特性を詳細に評価する。そして、脂肪酸とアルコールの構造が熱化学特性に及ぼす影響を定量的に表現できるモデルを構築し、所望の融点を有する蓄熱材の設計法を確立する。これによって、地域環境に適した保持温度を持つ蓄熱シートの設計を可能とする。 植物系由来の脂肪酸エステルの物性を明らかにする基礎的研究を進めて、潜熱蓄熱材としての活用を図る新規な研究課題である。また、この基礎研究をベースとして製作された蓄熱材をマイクロカプセル化して分散させた建材用蓄熱シートは、建築物の省エネルギーに貢献することが期待される。
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