研究課題
本研究の目的は下水処理における技術革新として嫌気性膜分離法と担体添加型一槽式アナモックス(Anammox)法の融合を工夫し実証することで、水質確保とエネルギー回収の両立を実現できる創エネルギー・低炭素型下水処理システムの確立を目指す。前段の嫌気性膜分離法では嫌気性メタン生成微生物群を分離膜によって高濃度に保持することで、下水中の有機物を効率よくメタンに分解してバイオガスとして回収できるとともに、余剰汚泥の大幅な削減、良好な水質も確保できる。また後段の機能性単体を用いた一槽式アナモックスにより窒素除去も可能な高度処理の機能を実現する。平成3年度では前年度に建設して25℃での連続運転を始めた嫌気性MBRと一槽式アナモックス槽で構成されているパイロット試験プラントを用いて季節変化に伴う温度変化による処理性能への影響を検討した。具体的にはHRTを8時間に固定して温度を25, 20, 15℃と段階的に下げて嫌気性MBRおよび一槽式アナモックスの処理性能に及ぼす温度の影響を年間実験で把握した。嫌気性MBRによる実下水処理に及ぼす温度の影響について、水質、バイオガス生成、汚泥生成率、膜ろ過フラックス、膜汚染速度などの指標で解析した結果、いずれの温度条件でも良好な処理水質が得られた、バイオガス生成、汚泥生成率、膜ろ過フラックス、膜汚染速度の観点から15℃では若干性能低下が見られた。機能性担体添加型一槽式アナモックス槽に及ぼす温度の影響について脱窒率、生物膜の活性および浮遊汚泥の沈殿性などの指標で解析した結果、いずれの温度条件でもT-N濃度が10mg/L以下、BOD濃度が10mg/L以下のよい処理水質が得られた。また、各ユニットの反応槽の機能性微生物の変化についても把握した。最後に従来のシステムに比較してCO2削減効果を評価し、新規システムの優位性を明らかにした。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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