研究課題/領域番号 |
19H01169
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
信濃 卓郎 北海道大学, 大学院農学院, 教授 (20235542)
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研究分担者 |
和崎 淳 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (00374728)
海野 佑介 公益財団法人環境科学技術研究所, 環境影響研究部, 研究員 (00522020)
齋藤 隆 福島県農業総合センター, 浜地域農業再生研究センター, 科長 (30504071)
尹 永根 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主任研究員(定常) (50609708)
渡部 敏裕 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (60360939)
俵谷 圭太郎 山形大学, 農学部, 教授 (70179919)
若林 正吉 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 研究員 (80707654)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 根圏ライブイメージング / マメ科植物 / 短半減期放射性炭素 / 根分泌 |
研究実績の概要 |
短半減期の放射性同位元素(11C)を地上部にCO2として地上部に同化させ、この同化産物の土壌への分泌パターンを解析する取り組みを進めた。試験では植物の根の生育状況を改善するために根箱の改良にまず取り組み、水耕栽培にてある程度植物体を成長させ、適切な根系を発達させた後に、メンブレンで根の侵入を抑制した根箱に挟み込む手法を導入する事で、根とその周辺の土壌を分けることに成功した。 このように根と土壌の間に根の移動を遮る膜を設置することで、根への化合物の移動と、根圏への分泌物を区分する技術を、豆科作物のルーピンに適用した。得られた土壌の物理性(粘土鉱物組成)、化学性(各種元素の溶解度の変化)、生物性(微生物群衆構造)の解析を進めている。根分泌液に含まれる代謝産物を土壌溶液から包括的に解析する目的の前段階として植物がカリウム栄養に応じてどのように分泌化合物の変動を示すのかについての解析をメタボローム解析を用いて進めた。また、実際の土壌御輸液を解析するためにキャピラリー電気泳動質量分析装置を利用する方向で取り組んでいるが、特にカチオンの代謝産物を精度よく解析するための徐塩の条件件を進めた。 さらに、供試するルーピンの放射性セシウム吸収特性を晶完備するためbに福島県内の放射性セシウムによって汚染された圃場において栽培試験を行った。その結果、ルーピンは従来知られているいずれの作物に比べても著しく高い放射性セシウム吸収能を有する事が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスによる移動自粛により、現地での最終的な調査が十分に完了していない。そのため、実圃場における土壌条件の変化の解析が遅れている。 現地圃場での試験を除いては、共同研究ベースで研究は順調に進んでおり、特に本研究で最も中核をなしているサイクロトロンを利用した短半減期の11Cを作成し、これを植物体に吸収させ、根からの分泌状況をライブイメージングする試験に成功しており、この試験によって得られた試料の分析を順調に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者から土壌を一時的に提供してもらい(試験終了後に返却)、代表者の所属する機関において栽培試験を並行して行う。2020年度中に新型コロナウイルスによる移動制限が撤廃されない場合に備えて取り組むことで対応をする。 それ以外については当初予定通りに研究は進める。ただし、打ち合わせに関してはテレビ会議等を活用して、研究の進行に遅延が生じないように進める。
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