研究課題
地域在住高齢者に対しMRIを用い脳画像を計測し、2021年度は564名分の脳画像データを追加し、2,807名の脳画像データに基づくデータベース構築を進めた。FreeSurferを用い脳の各領域を分割した解剖アトラスに基づきT1強調画像を処理した。脳領域ごとに皮質では皮質厚、皮質厚偏差、領域面積、体積、曲率を出力、皮質下では体積を出力し地域在住高齢者の脳構造データベース構築を完了した。構築が完了した地域在住高齢者2,807名の脳構造データベースでは使用した解剖アトラスに基づく、脳構造データベースが構築されている。また、計777名からT2強調画像、拡散テンソル画像、安静時脳機能画像、FLAIR画像、位相差強調画像のデータ取得が完了し、処理を進め地域在住高齢者のマルチモーダルMRIのデータベースを構築する。MRIで計測した脳画像を用いて、アミロイドPETの陽性・陰性を予測するためのモデル構築を行った。位相差強調画像はMATLABとSPM12を用いて処理し、AALの解剖アトラス用い各個人の脳座標空間上で領域を指定した。高齢者64名を対象とし、位相差強調画像の値からアミロイド判定の陰性・陽性判定のため、変数減少法によるロジスティック回帰モデルを用い検証した。結果、位相差強調画像のみを用いた場合、楔前部の値からアミロイド陰性・陽性の判定を曲線下面積0.73となるモデルが構築された。また、異なる脳画像情報を用い判別性能の向上を図るため、位相差強調画像の値に加え、FreeSurferを用いて処理した脳の体積値を用い、アミロイド陰性・陽性を判定するため変数減少法によるロジスティック回帰モデルを用いた検証をおこなった。結果、楔前部の位相差強調画像の値に加えて、嗅内皮質、海馬傍回、下頭頂皮質の体積が説明変数として加わり、アミロイド陰性・陽性の判定の曲線下面積0.82となるモデルを構築した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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