研究課題/領域番号 |
19H01183
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 東京大学 (2020-2021) 東京工業大学 (2019) |
研究代表者 |
國分 功一郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70515444)
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研究分担者 |
熊谷 晋一郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (00574659)
千葉 雅也 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (70646372)
松本 卓也 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (90782566)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自閉症 / 自閉スペクトラム症 / ASD / 精神分析 / ラカン / ドゥルーズ |
研究成果の概要 |
本研究プロジェクトは、自閉スペクトラム症の学際的な研究を通じた人間の再定義を目標としてきた。最終的に本研究会が最も有効と考えた概念ツールの一つが、ラカン派精神分析で用いられるS1/S2の概念である。これは、誕生した人間が社会との相互作用のうちで受け取る最初の衝撃と、その衝撃を言語化していく様を描き出す概念である。この概念を使って本プロジェクトは、たとえばマジョリティ向けにデザインされた建築物がマイノリティの身体を受け付けないように、実は日常言語、すなわちS2もマジョリティ向けにデザインされていて、それにうまくフィットしない身体や感性を持つ人々を受け付けない場合があることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
哲学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果によれば、人間は自らの身体や感性にフィットするS2をリソースとして持つことができれば、S1という最初の衝撃を言葉にして他人に伝え、衝撃を緩和するとともに、他者とコミュニケーションを行うことができるようになる。だが、S2、要するに日常言語はマジョリティ向けにデザインされていることがしばしばである。したがって、それにフィットしない身体や感性を持つ者たちは自分にフィットするS2を発明していく営みが必要なるのだが、そのことは現在の社会ではほとんど理解されていない。この発明の必要性を明らかにしたところが、本研究課題の最大の社会的成果であると言える。
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