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2020 年度 実績報告書

医療・ケア現場における、「人間の尊厳」を中心とした対話のための包括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H01184
研究機関静岡大学

研究代表者

堂囿 俊彦  静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (90396705)

研究分担者 中村 美智太郎  静岡大学, 教育学部, 准教授 (20725189)
松田 純  静岡大学, 人文社会科学部, 名誉教授 (30125679)
三浦 靖彦  東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40181854)
天野 ゆかり  静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 講師 (60469484)
宮下 修一  中央大学, 法務研究科, 教授 (80377712)
青田 安史  常葉大学, 健康科学部, 教授 (90551424)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード人間の尊厳 / 在宅医療・ケア / 倫理的対話の教育 / 倫理コンサルテーション
研究実績の概要

1)在宅医療に関わる医療・ケア専門職(医師、看護師、介護福祉士、リハビリ専門職、薬剤師、ケアマネジャー、社会福祉士)を対象に、「人間の尊厳」の概念をどのように理解しているのかアンケート調査を実施した。各職種4名から5名ずつ(計29名)に対して、インタビューを実施した。
2)在宅医療において問題となりうる事例の類型化を実施した。病院における倫理的問題に関しては、書籍等において先行研究が豊富にあったため、これらの資料において示されている分類の検討も併せて行った。この成果は、『倫理コンサルテーション ケースブック』として公表した。
3)研究分担者が実施している地域における倫理的支援を中心に、現在行われている取り組みをメンバー間で共有した上で、「どのようにすれば、在宅医療・介護の現場において、倫理的問題に取り組むことができるのか」について検討を行った。また、研究責任者が運営に携わるNPOを母体として、「しずおか倫理カフェ」を開始し、実際に生じている問題に関して直接対話する場を設けることとした。
4)ドイツにおける「人間の尊厳」概念を明らかにするという目的に関しては、渡独調査はできなかったものの、コロナパンデミック下において活発に議論されたトリアージや安楽死と「人間の尊厳」との関りに関して調査を実施した上で、メンバー間で成果を共有した。
5)在宅医療の場において倫理的問題を対話する場を作るためには、倫理的問題の話し合い方を伝えることも重要になる。そこで、倫理的問題を検討する力をどのように育むかに関して、学校教育における取り組みの状況について、教育学を専門とする分担者の調査結果をメンバー間で成果を共有した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ感染症拡大の中、インタビュー対象者が関わる在宅医療・ケアは大きな影響を受け、インタビューのスケジュールが大幅に遅れた。また、コロナ感染症拡大の影響を受け、海外調査に関しては、今年も延期せざるを得なかった。

今後の研究の推進方策

・インタビュー調査を通じて収集したデータを分析し、論文化を行う。さらに、同じメンバーで、インタビュー調査の結果を踏まえ、アンケート調査を作成し、実施する。
・本来なら2019年度にドイツにおいて調査を実施するはずだったが、分担研究者の体調不良、コロナ感染症の拡大によっていまだに実施できずにいる。今年度後半、状況が安定している場合には渡航し実施する。
・上記調査研究の結果も踏まえた、『患者の尊厳を守る話し合いのためのハンドブック』執筆を開始する。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 2件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] SDGsから考えるスマートシティ2021

    • 著者名/発表者名
      堂囿 俊彦
    • 雑誌名

      静岡法務雑誌

      巻: 12 ページ: 177-187

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] なぜいま地域包括ケアか―病院医療の歴史的転換2020

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 雑誌名

      生命倫理・生命法研究資料集

      巻: 5 ページ: 81-94

  • [雑誌論文] 『つながり格差』とキャリア形成――外国にルーツを持つ学生へのインタビュー調査に基づいて2020

    • 著者名/発表者名
      野澤俊介・中村美智太郎
    • 雑誌名

      静岡大学教育学部研究報告(人文・社会・自然科学篇)

      巻: 71 ページ: 143-166

    • DOI

      10.14945/00027833

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 情報環境における道徳的行為者の『責任』と『答責性』2020

    • 著者名/発表者名
      中村美智太郎
    • 雑誌名

      静岡大学教育学部研究報告(教科教育学篇)

      巻: 52 ページ: 43-55

    • DOI

      10.14945/00027845

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ラウンドテーブルディスカッションで学ぶ倫理コンサルテーション~立ち上げから運営まで~看護師の立場から2020

    • 著者名/発表者名
      本家淳子
    • 学会等名
      第32回日本生命倫理学会年次大会
  • [学会発表] 消費者契約法の改正とその有効活用について~若年者及び高齢者の消費者被害の予防と救済~2020

    • 著者名/発表者名
      宮下修一
    • 学会等名
      岡山県司法書士会消費者問題対策委員会研修会
  • [学会発表] なぜいまなぜいま多職種連携か? 21世紀型医療への構造的転換2020

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      第4回日本老年薬学会学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 価値観と文化の多様性にむきあう生命倫理学2020

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      価値観と文化の多様性にむきあう生命倫理学
  • [学会発表] 人生の最終段階をどう支えるのか~地域包括ケアと多職種連携のなかの生命倫理~2020

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      静岡市・静岡市医師会共催 在宅医療に関する意見交換会
    • 招待講演
  • [学会発表] 新型コロナ危機と人間の尊厳~トリアージをめぐって2020

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      放送大学公開講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 倫理的問題を議論する力はいかにして育まれるか――学校教育の試みから考える2020

    • 著者名/発表者名
      中村美智太郎
    • 学会等名
      第56回「ケアの人間学」合同研究会
  • [学会発表] 在宅医療・介護の現場において倫理的問題に取り組む2020

    • 著者名/発表者名
      三浦靖彦
    • 学会等名
      第55回「ケアの人間学」合同研究会
  • [学会発表] 新型コロナウイルスと人間の尊厳―トリアージをめぐって―2020

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      第53回「ケアの人間学」合同研究会
  • [図書] 倫理コンサルテーション ケースブック2020

    • 著者名/発表者名
      堂囿俊彦・竹下啓 編著/神谷惠子・長尾式子・三浦靖彦
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      医歯薬出版株式会社
    • ISBN
      978-4-263-73198-7

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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