研究課題
ベルクソン『意識に直接与えられたものについての試論』(通称『時間と自由』)の総合的研究の最終年度として、これまで開拓してきた学際領域での成果を取りまとめることに注力した。コロナ禍による対面イベントの困難に適応しつつ、オンラインも駆使することで柔軟に研究活動を組織した。科学的見地からの記憶錯誤の解明を行なっているドニ・ぺラン氏との共同研究(①Deja-vu and Memory)ではベルクソンの記憶理論について、フェヒナー研究者と現代認知心理学の専門家を招いたワークショップ(②精神物理学の起源と展望)では『試論』第一章における精神物理学批判について、それぞれ当該分野の研究者との実質的な対話の場を設け、充実した成果を得た。また、この期間中に若手を中心に新しい世界的動向として登場した「生物学の哲学」を通じてのベルクソンの再解釈の動きを踏まえ、フランスからマチルド・タアールを1ヶ月(2022年6月)、カナダからガエターノ・ポステラロ氏を三週間(2023年1月)、福岡大学の施設に招き入れ、複数回のワークショップに加えて持続的で実り多い意見交換を果たした。生物進化にまつわる現代の研究の光によってベルクソン哲学の新たな側面が浮かび上がったのみならず、滞在中に国内出張も設け、各大学の研究者・大学院生との積極的な交流機会を設け、次世代の研究に向けた布石を施した。英国の出版社Bloomsburyから拡張ベルクソン主義論集の出版を果たした(Bergson's Scientific Metaphysics, 2023)。最大のイベントとなる総括的なシンポジウム「In Search of Time and Free Will」の準備にあたっては、分担研究者たちとの会議を通じて、その人選についても多様性と包括性を踏まえ念入りに進め、4日間に及ぶオンラインシンポジウムを成功裡に終えることができた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 4件、 査読あり 2件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 15件、 招待講演 11件) 図書 (19件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (7件)
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