研究課題/領域番号 |
19H01193
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
湯浅 邦弘 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (30182661)
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研究分担者 |
竹田 健二 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (10197303)
福田 哲之 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (10208960)
中村 未来 福岡大学, 人文学部, 准教授 (50709532)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中国哲学 / 出土文献 / 竹簡 / 清華簡 / 上博楚簡 |
研究実績の概要 |
共同研究の最終年度にあたり、これまで着手できなかった諸課題に取り組んだ。代表者の湯浅邦弘は、『中国研究集刊』第68号に論文「清華簡『五紀』に見える黄帝・蚩尤伝承―王権の由来と正当性―」を発表した。これは、この共同研究で取り組んできた清華大学蔵戦国竹簡の内、第十一分冊所収の古佚書『五紀』を取り上げたもので、その全体構造を把握した上で、この文献が世界の創始を洪水から説き始め、天体との相関関係を持ちつつ社会の人体が形成されること、また、外部の鬼によって疾病が生ずること、黄帝の子の蚩尤によって戦争が発生し、黄帝と諸神が武力によって鎮圧し、世界統一を果たしたことなどを解説する重厚な内容であることを明らかにした。特に、王権の由来と武力行使の正当性を黄帝・蚩尤の戦いによって解説する点と、その黄帝と蚩尤とが親子とされている点に最大の特色があり、これまで知られていた同様の神話の中でも特色を持った内容であることを明らかにした。 この業績が注目され、湯浅は、令和5年5月に財団法人東方学会が主催する国際論壇で、この内容を発表するよう依頼されている。すでに東方学会に提出した発表論文では、さらに最新情報として、清華簡第十二分冊所収の『参不韋』も加えて内容を補充した。『参不韋』も世界の創始を洪水から説き起こす古佚書である。 分担者の福田哲之は古文字学研究の立場から、北京大学蔵漢簡『蒼頡篇』に関する二つの論考を執筆して公開した。 また中村未来は、清華簡所収の『心是謂中』を解読し、その文献的特質について論考にまとめて発表した。 国内会合はオンライン会議とし、当初予定していた海外学術交流、特に中国の博物館や大学における竹簡の実見調査はできなかったが、おおむね所期の目的を達成することができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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