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2021 年度 実績報告書

複合国家性に留意する近代イギリス思想史研究─遠心力と求心力の統御の観点から─

研究課題

研究課題/領域番号 19H01202
研究機関京都大学

研究代表者

竹澤 祐丈  京都大学, 経済学研究科, 准教授 (60362571)

研究分担者 岩井 淳  静岡大学, 人文社会科学部, 名誉教授 (70201944)
木村 俊道  九州大学, 法学研究院, 教授 (80305408)
桑島 秀樹  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (30379896)
森 直人  高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (20467856)
佐藤 一進  神戸学院大学, 法学部, 准教授 (00554312)
武井 敬亮  福岡大学, 経済学部, 准教授 (90751090)
安武 真隆  関西大学, 政策創造学部, 教授 (00284472)
中島 渉  明治大学, 商学部, 専任教授 (20453962)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード複合国家イギリス / イギリス / 思想史 / 統合 / アイルランド / ウェールズ / イングランド / スコットランド
研究実績の概要

新型コロナ・ウィルスの蔓延による海外渡航制限などにより、各自が文献分析を中心とする研究活動を行った。研究の進捗管理や意見交換のためのオンライン研究会を複数回開催した。また研究の中間報告的な書籍(『ヨーロッパ複合国家論の可能性』)を刊行し、それに対する西洋史研究者や文学研究者による書評会を複数回開催することによって今後の課題を明確化した。
今年度も複合国家イギリス内部の各地域の統合に関する議論の相互関係とその処方箋の諸相の分析を行った。個別の研究成果は以下である。
竹澤:17世紀前半のアイルランド統治の諸問題とイングランドの処方箋の諸相の分析した。岩井:16世紀のウェールズの思想家の思想分析から複合国家性を解明した。木村:ジェイムズ六世・一世期を中心に複合国家論の様相を分析し、また同時代の北米植民地論についての資料収集や分析を行った。桑島:18世紀愛での社会変革論の系譜に迫る作業を通じて、英中心の国家モデルのもつ複層性と歪みを確認した。森:昨年度に引き続き、フレッチャーとヒュームの思想を考察しつつ、複合国家ブリテンにとってのジャコバイト問題の思想史的重要性を確認した。佐藤:ポーコックの複合国家論の今日的意義を把握すると同時に、その主権論の可能性を明確化した。武井:名誉革命期に〈統合の紐帯〉として宗教が果たした役割について、新たに発見されたロックの手稿を中心に検討した。またモリニューのアイルランド認識を再検討した。安武:モンテスキューに関する重要な近著(定森亮『共和主義者モンテスキュー』、上村剛『権力分立論の誕生』)の検討やボダン『国家六編』の著作分析を手がかりに、複合性と主権論との相剋について検討した。中島:文学の視点からスウィフトのアイルランド観に対する理解を深めると同時に、主権国家論に対置する複合国家論の可能性を探ることに努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

依然として新型コロナ・ウィルス感染拡大により、海外での資料調査・資料収集や海外研究者との意見交換の作業が遅れている。

今後の研究の推進方策

資料調査などの遅れは、刊行物の利用や複写依頼サービスなどによって少しでも状況が改善できるように努力する。また海外研究者との意見交換や、研究代表者・分担者の間の議論は、極力、Zoomなどを利用して、対面研究会が開催しにくい状況による進捗の遅れを回避する。

  • 研究成果

    (23件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] しょう渭水「臨床講義」の今日的意義 : 20世紀前半の台湾文化協会と民族運動2022

    • 著者名/発表者名
      岩井淳
    • 雑誌名

      アジア研究(静岡大学人文社会科学部)

      巻: 17 ページ: 3~8

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] アイルランドの哲学・思想(芸術・宗教・科学を含む)2022

    • 著者名/発表者名
      桑島秀樹
    • 雑誌名

      イギリス哲学研究

      巻: 45 ページ: 85~88

  • [雑誌論文] (書評)上村剛『権力分立論の誕生―ブリテン帝国の「法の精神」受容』2022

    • 著者名/発表者名
      中島 渉
    • 雑誌名

      Asterisk

      巻: 30 ページ: 49~52

  • [雑誌論文] 書評 上村剛『権力分立論の誕生 : ブリテン帝国の『法の精神』受容』2022

    • 著者名/発表者名
      安武真隆
    • 雑誌名

      イギリス哲学研究

      巻: 45 ページ: 40~43

  • [雑誌論文] 対外的脅威の政治思想に向けての覚書─ジャン・ボダン『国家六篇』を手掛かりに2022

    • 著者名/発表者名
      安武 真隆
    • 雑誌名

      続・戦争と統治のあいだ

      巻: 66 ページ: 33~60

    • DOI

      10.32286/00026373

  • [雑誌論文] 『オシアナ』における統合と拡張─ジェームス・ハリントンの属州論における平等性の観点から─2022

    • 著者名/発表者名
      竹澤祐丈
    • 雑誌名

      立命館法学

      巻: 2021年第5・6号 ページ: 508~539

  • [雑誌論文] 18世紀アイルランド人画家ジェイムズ・バリーによる小品肖像画《ニュージェント博士像》とそこからの発展的逸脱 : パトロン・大陸遊学・アカデミー2021

    • 著者名/発表者名
      桑島秀樹
    • 雑誌名

      広島大学大学院人間社会科学研究科紀要. 総合科学研究

      巻: 2 ページ: 1~24

    • DOI

      10.15027/52018

  • [雑誌論文] [Lecture] Book Review Session: Taira NISHI, Recht und Macht : zur Genealogie der internationalen Politologie, Nagoya : The University of Nagoya Press, 20182021

    • 著者名/発表者名
      安武真隆
    • 雑誌名

      ノモス = Nomos

      巻: 48 ページ: 113~114

    • DOI

      10.32286/00025109

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 共和主義か政治経済学か―従来手薄であったモンテスキューの経済思想に踏み込む2021

    • 著者名/発表者名
      安武真隆
    • 雑誌名

      図書新聞

      巻: 3507 ページ: 5~5

  • [学会発表] 三つのブリテン革命再考――独立革命期におけるピューリタン革命・名誉 革命の受容2022

    • 著者名/発表者名
      岩井淳
    • 学会等名
      イギリス革命史研究会
  • [学会発表] E・バークの崇高美学をコロナ以後の時代にひらく―新たな〈危機の時代〉への応用可能性―2022

    • 著者名/発表者名
      桑島秀樹
    • 学会等名
      第46回 日本イギリス哲学会シンポジウムⅡ「雑談・孤独・崇高:コロナ禍以後に向けたイギリス哲学・思想の射程」
    • 招待講演
  • [学会発表] 20世紀前半の台湾文化協会と民族運動―しょう渭水「臨床講義」の今日的意 義2021

    • 著者名/発表者名
      岩井淳
    • 学会等名
      シンポジウム「台湾夢2049―超現代臨床講義」
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 「三つのブリテン革命」を考える――ピューリタン革命・名誉革命・独立 革命2021

    • 著者名/発表者名
      岩井淳
    • 学会等名
      初期アメリカ研究学会
  • [学会発表] 政治思想の「振舞い」─統治のアートとシヴィリティをめぐって2021

    • 著者名/発表者名
      木村俊道
    • 学会等名
      政治思想学会
    • 招待講演
  • [学会発表] アイルランドと司馬遼太郎2021

    • 著者名/発表者名
      桑島秀樹
    • 学会等名
      日本アイルランド協会 2021年度公開講座・関西(オンライン開催):「日本人作家とアイルランド」シリーズ第1回(後援:大阪経済大学日本経済史研究所)
    • 招待講演
  • [学会発表] (基調報告)バーク美学からみた人間身体・女性的なるもの・野蛮2021

    • 著者名/発表者名
      桑島秀樹ほか
    • 学会等名
      第28回日本アイルランド研究年次大会
    • 招待講演
  • [学会発表] ヒュームにおけるコンヴェンションと党派の関係について2021

    • 著者名/発表者名
      森直人
    • 学会等名
      日本イギリス哲学会 第65回関西部会
  • [学会発表] ジョン・ロックのカトリック寛容について―新たに発見された手稿を中心に―2021

    • 著者名/発表者名
      武井敬亮
    • 学会等名
      七隈史学会第23回大会
  • [学会発表] ジョン・デイヴィス(1569-1626)のアイルランド論再考2021

    • 著者名/発表者名
      竹澤祐丈
    • 学会等名
      日本イギリス哲学会関西部会
  • [図書] 資料と問いから考える歴史総合2022

    • 著者名/発表者名
      岩井淳、岡田健、川喜田敦子、君島和彦、木村茂光、戸川点、日高智彦、茂木敏夫、安井崇、油井大三郎(岩井淳の執筆部分)
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      浜島書店
    • ISBN
      9784834321043
  • [図書] ヨーロッパ複合国家論の可能性2021

    • 著者名/発表者名
      岩井 淳、竹澤 祐丈(編著)(岩井淳、竹澤祐丈、木村俊道、桑島秀樹、森直人、佐藤一進、武井敬亮、中島渉、安武真隆の執筆部分)
    • 総ページ数
      356
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623090600
  • [図書] The Scottish Enlightenment: Human Nature, Social Theory and Moral Philosophy: Essays in Honour of Christopher J. Berry (Naohito Mori, 'Civility and Slavery: the problematic basis of civilized society in Hume's history of England')2021

    • 著者名/発表者名
      R.J.W.Mills and Craig Smith (eds.)(Naohito Moriの執筆部分)
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      Edinburgh University Press
    • ISBN
      9781474467315
  • [図書] よくわかる政治思想(佐藤一進「バーク」)2021

    • 著者名/発表者名
      野口 雅弘、山本 圭、高山 裕二(編著)(佐藤一進の執筆部分)
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623090990

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公開日: 2023-12-25  

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