• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

イングランド啓蒙への学際的アプローチ ―「開かれた理性」の復権を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 19H01203
研究機関中央大学

研究代表者

青木 滋之  中央大学, 文学部, 教授 (50569069)

研究分担者 柏崎 正憲  東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 助教 (90737032)
後藤 大輔  早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助手 (90835399)
小城 拓理  愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (10733040)
下川 潔  学習院大学, 文学部, 教授 (40192116)
瀧田 寧  日本大学, 商学部, 准教授 (10784663)
武井 敬亮  福岡大学, 経済学部, 准教授 (90751090)
竹中 真也  中央大学, 人文科学研究所, 客員研究員 (50816907)
沼尾 恵  慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 准教授 (20709232)
渡邊 裕一  学習院大学, 付置研究所, 助教 (60848969)
中野 安章  慶應義塾大学, 商学部(日吉), 講師 (40896940)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードイングランド啓蒙 / アイルランド啓蒙 / 啓蒙主義 / ジョン・ロック / ウィリアム・モリニュー
研究実績の概要

2020年度では、「イングランド啓蒙」からの様々な流れ、周辺国への影響関係のうち、アイルランドの政治哲学者ウィリアム・モリニューへの影響を、The Case of Ireland (1698)を主要テキストに用いて研究したほか、2020年3月から延期された日本イギリス哲学会セッション「17世紀イングランドにおける啓蒙思想の萌芽――知性・意志・自律」では、17世紀中葉のイングランドの思想家、ホッブズ、カドワース、ロックにみられる啓蒙思想の萌芽について研究を行った。
研究成果は、上記のセッションのものが日本イギリス哲学会のウェブサイトに掲載されたほか、定期的なイングランド啓蒙研究会の開催により、イングランド啓蒙とパンデミック(17世紀ペスト)の問題、ロックの知性論(教育論)、科学と宗教の双生、といった内容について研究を進めた。研究分担者による単著の検討会も行った。また、2021年度に本格的な検討に入る予定の、研究論文集のアイデア出しを行ったが、そこでは政治哲学、宗教論(寛容論)、道徳哲学、教育論、自然神学、自然哲学といった幅広いトピックが触れられることが論じられた。
以上のような研究会の様子は、「イングランド啓蒙研究会」ブログで発信してきている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度でも引き続き、本研究課題である「イングランド啓蒙への学際的アプローチ ―「開かれた理性」の復権を目指して」という(現代で言うところの)学際性を意識した研究活動が行うことができた。例えば、2020年度に研究会で取り上げた、ロックからモリニューへと続く政治哲学の流れでは、研究代表者を含めふだん政治思想史にあまり触れることのない者たちにとってみれば、哲学で扱われるモリニューとは一線を画したモリニューの姿が浮かび上がってきた。そのほか、文学、教育、宗教、科学といった17-18世紀では当たり前に見られた分野間のつながりが、専門の異なる複数人の研究チームによって明らかになったりと、本研究課題ならではの共同研究を行うことができた。

今後の研究の推進方策

2019年度、2020年度と、政治、宗教、哲学、科学、教育といった様々な角度から、17世紀から18世紀にかけての「イングランド啓蒙」の基本的性格を明らかにする研究を続けてきた。今後は、そうした成果を論文集としてまとめていく努力が必要になる。すでにこの2020年度から着手したように、各人が論文集に対してどのような貢献を行うことができるかを、意識し始めることが必要である。2021年度では、より具体的に各章の文章を集めながら、我々の研究チームでどのような成果を公表できるのか集中的に議論していくことが必要になると考える。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 『サイリス』の「一」に関するひとつの解釈2021

    • 著者名/発表者名
      竹中真也
    • 雑誌名

      武蔵野美術大学 研究紀要

      巻: 51 ページ: 17-25

  • [雑誌論文] 17 世紀イングランドにおける啓蒙思想の萌芽 ― 知性・意志・自律2021

    • 著者名/発表者名
      青木滋之・後藤大輔・竹中真也・内坂翼
    • 雑誌名

      イギリス哲学研究

      巻: 44 ページ: 114-120

  • [雑誌論文] ロックの『人間知性論』における伝承の不合理な諸要因―パスカルの「想像力」と比較して―2021

    • 著者名/発表者名
      瀧田寧
    • 雑誌名

      総合社会科学研究(総合社会科学会編)

      巻: 33 ページ: 1-14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「思念」と「イデア」――一八世紀におけるプラトン主義の受容の一側面2021

    • 著者名/発表者名
      竹中真也
    • 雑誌名

      紀要-哲学(中央大学文学部)

      巻: 63 ページ: 75-94

  • [雑誌論文] ジョン・ロックの刑罰論2021

    • 著者名/発表者名
      渡邊裕一
    • 雑誌名

      人文

      巻: 19 ページ: 5-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 精神の「一」性について2020

    • 著者名/発表者名
      竹中真也
    • 雑誌名

      紀要-哲学(中央大学文学部)

      巻: 62 ページ: 159-174

    • オープンアクセス
  • [学会発表] ロックの人格同一性の議論――その発生の背景と論理――2021

    • 著者名/発表者名
      青木滋之
    • 学会等名
      日本イギリス哲学会第45回研究大会
  • [学会発表] 人間本性と道徳的自由 ジョン・ロックの完成主義2021

    • 著者名/発表者名
      柏崎正憲
    • 学会等名
      日本イギリス哲学会第45回研究大会
  • [学会発表] カドワースとバークリにおける「思念」について2021

    • 著者名/発表者名
      竹中真也
    • 学会等名
      日本イギリス哲学会第45回研究大会
  • [学会発表] バークリの「思念」の解釈――カドワースの生得説を手掛かりにして2021

    • 著者名/発表者名
      竹中真也
    • 学会等名
      第19回イングランド啓蒙研究会
  • [学会発表] ホッブズの哲学方法論における「汝自身を読め」の意義2020

    • 著者名/発表者名
      後藤大輔
    • 学会等名
      日本イギリス哲学会第44回研究大会
  • [学会発表] 『知性の正しい導き方』における哲学教育的意義―教養としての哲学教育の現場から2020

    • 著者名/発表者名
      瀧田寧
    • 学会等名
      第15回イングランド啓蒙研究会
  • [学会発表] 『サイリス』におけるバークリーの生命哲学2020

    • 著者名/発表者名
      中野安章
    • 学会等名
      第14回ロック研究会
  • [学会発表] ロックと外国人の処罰権をめぐって2020

    • 著者名/発表者名
      沼尾恵
    • 学会等名
      日本イギリス哲学会第44回研究大会
  • [図書] ジョン・ロックの権利論2020

    • 著者名/発表者名
      渡邊 裕一
    • 総ページ数
      218
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      4771032246
  • [備考] イングランド啓蒙研究会 English Enlightenment Forum of Japan

    • URL

      https://english-enlightenment-f-j.blogspot.com/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi