• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

イングランド啓蒙への学際的アプローチ ―「開かれた理性」の復権を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 19H01203
研究機関中央大学

研究代表者

青木 滋之  中央大学, 文学部, 教授 (50569069)

研究分担者 柏崎 正憲  東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (90737032)
小城 拓理  愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (10733040)
後藤 大輔  早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助手 (90835399)
下川 潔  学習院大学, 文学部, 教授 (40192116)
瀧田 寧  日本大学, 商学部, 准教授 (10784663)
武井 敬亮  福岡大学, 経済学部, 准教授 (90751090)
竹中 真也  中央大学, 人文科学研究所, 客員研究員 (50816907)
中野 安章  慶應義塾大学, 商学部(日吉), 講師 (40896940)
沼尾 恵  慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 准教授 (20709232)
渡邊 裕一  学習院大学, 付置研究所, 助教 (60848969)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードイングランド啓蒙 / アイルランド啓蒙 / 啓蒙主義 / ジョン・ロック / ハチソン
研究実績の概要

最終年度にあたる2021年度では、これまでの研究成果を発表する論文集の計画、打ち合わせ、「イングランド啓蒙」での研究会を主として行った。論文集の計画内容としては、イングランド実験哲学の流れ、トマス・モアからジョン・ロックまでの労働観、新大陸での所有権の展開、ジョン・ロックの認識問題、カドワースの人間観、ウィストンの自然神学、ロックの「試みること」の意義、トマス・ペインと自然権概念、トーランド以降の理神論の展開、といったものに渡った。
その間、イングランドからアイルランドまでの美と徳についての感覚主義をグループで共有するために、ハチソン『美と徳の観念の起源』をレジュメ担当者を決めて輪読した。
年度末に、研究成果発表として、日本イギリス哲学会第45回研究大会で「17 世紀イングランドでの新旧哲学の融和と変容―信仰・理性・経験」というタイトルのセッションを行った。発表題目は、「カドワースの知性と情念」、「ジョン・ロックの認識問題」、「聖書釈義と自然哲学―W.ウィストンのニュートン主義自然神学」というもので、17世紀中葉から末までの新旧哲学の対立を扱ったものであった。
以上のような研究は、これまでと同様、定期的なイングランド啓蒙研究会の開催により遂行してきたが、その要旨は「イングランド啓蒙研究会」ブログで随時発信してきている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度では、これまでの研究成果を文章化し、論文集の出版に向けたレジュメ発表まで進めることができた。本研究課題である「イングランド啓蒙への学際的アプローチ」というタイトルが主張する、政治-宗教-哲学-科学-教育論といった横の学問のつながりについて、様々な分野の研究者が集う本研究課題ならではの学際的な研究を進めることができた。例えば普段、哲学や科学の話題に触れない政治哲学思想史の研究者や、逆に、宗教や政治哲学に疎遠な哲学や科学思想史の研究者も、お互いの研究成果に習熟することで、この時代のイングランド啓蒙の全体像について、従来の研究よりもより包括的な理解を得ることができたと考えている。

今後の研究の推進方策

2021年度では、2020年度と続きコロナによるパンデミックの影響で、海外から研究者を招聘してディスカッションする機会が得られなかったが、本研究課題の「イングランド啓蒙への学際的アプローチ」の成果を、国内の学会や海外からの研究者招聘を交えて、公開していきたい。目下、イングランド啓蒙に関する国内初の論文集の公刊に向けて「イングランド啓蒙研究会」での発表を重ねてきたが、その成果を国内学会のワークショップでオープンに議論し、各方面からの批判に耐えられるようなものへと鍛え上げていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ブルジョワ社会の表象と資本主義生産様式 ジョン・ロックを読むマルクス2021

    • 著者名/発表者名
      柏崎正憲
    • 雑誌名

      季刊経済理論

      巻: 58 ページ: 62-73

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ジョン・ロックの刑罰論2021

    • 著者名/発表者名
      渡邊裕一
    • 雑誌名

      『人文』学習院大学人文科学研究所

      巻: 19 ページ: 5-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ロックの『人間知性論』における伝承の不合理な諸要因―パスカルの「想像力」と比較して―2021

    • 著者名/発表者名
      瀧田寧
    • 雑誌名

      総合社会科学研究

      巻: 4-3 ページ: 1-14

  • [雑誌論文] 書評:ジョン・ロック(加藤節訳)『キリスト教の合理性』2021

    • 著者名/発表者名
      武井敬亮
    • 雑誌名

      イギリス哲学研究

      巻: 44 ページ: 62-64

  • [雑誌論文] 書評:Nathan Guy, Finding Locke's God: The Theological Basis of John Locke's Political Thought2021

    • 著者名/発表者名
      武井敬亮
    • 雑誌名

      ピューリタニズム研究

      巻: 16 ページ: 67-68

  • [雑誌論文] 『サイリス』の「一」に関するひとつの解釈2021

    • 著者名/発表者名
      竹中真也
    • 雑誌名

      武蔵野美術大学 研究紀要

      巻: 51 ページ: 17-25

  • [雑誌論文] 書評: Margaret C. Jacob, The Secular Enlightenment2021

    • 著者名/発表者名
      青木滋之
    • 雑誌名

      イギリス哲学研究

      巻: 44 ページ: 73-75

  • [学会発表] ジョン・ロックの認識問題2022

    • 著者名/発表者名
      内坂翼
    • 学会等名
      第45回日本イギリス哲学会大会
  • [学会発表] カドワースの知性と情念2022

    • 著者名/発表者名
      竹中真也
    • 学会等名
      第45回日本イギリス哲学会大会
  • [学会発表] 聖書釈義と自然哲学 -W.ウィストンのニュートン主義自然神学-2022

    • 著者名/発表者名
      中野安章
    • 学会等名
      第45回日本イギリス哲学会大会
  • [学会発表] 趣旨説明:17 世紀イングランドでの新旧哲学の融和と変容 -信仰・理性・経験-2022

    • 著者名/発表者名
      青木滋之
    • 学会等名
      第45回日本イギリス哲学会大会
  • [学会発表] イングランド実験哲学の流れ ―王立協会、知識論、アイルランドへの影響2021

    • 著者名/発表者名
      青木滋之
    • 学会等名
      第22回イングランド啓蒙研究会
  • [学会発表] 労働観の転換と啓蒙 ――トマス・モアからジョン・ロックへ2021

    • 著者名/発表者名
      柏崎正憲
    • 学会等名
      第23回イングランド啓蒙研究会
  • [学会発表] 啓蒙思想の影?――新大陸におけるロック 所有権論 の展開 を追う2021

    • 著者名/発表者名
      渡邊裕一
    • 学会等名
      第23回イングランド啓蒙研究会
  • [図書] Locke on Knowledge, Politics and Religion: New Interpretations from Japan2021

    • 著者名/発表者名
      下川潔、ピーター・アンスティ(編)
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      Bloomsbury USA Academic
    • ISBN
      1350189189
  • [備考] イングランド啓蒙研究会 English Enlightenment Forum of Japan

    • URL

      https://english-enlightenment-f-j.blogspot.com/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi