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2021 年度 実績報告書

ギリシア・アラビア・ラテンにおける新プラトン主義思想の伝播と発展

研究課題

研究課題/領域番号 19H01204
研究機関早稲田大学

研究代表者

小村 優太  早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (20726822)

研究分担者 袴田 渉  聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 助教 (70726588)
小林 剛  聖心女子大学, 現代教養学部, 非常勤講師 (70753846)
山崎 達也  公益財団法人東洋哲学研究所, その他部局等, 研究員(移行) (70838557)
西村 洋平  兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (90723916)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード新プラトン主義 / プロクロス / プロティノス / ドイツ・ドミニコ会 / 中世哲学
研究実績の概要

2021年度は新プラトン主義と中世ラテン哲学との関係性にかんするシンポジウムを中心として組み立てられた。そのため、研究分担者の山崎達也氏をコーディネーターとして、国内シンポジウム「ドイツ・ドミニコ会とエックハルト」をZoomにて開催し、20名以上の参加者と共に3名の提題者による発表が行われた。それぞれの提題者によって、マイスター・エックハルト(1328頃歿)と、その影響を受けて発展したドイツ・ドミニコ会との思想的関連性が、新プラトン主義という補助線を用いて論じられた。
一方で科研プログラム主催の活動以外に目を向けると、中世哲学会においては、「翻訳としての中世哲学」というテーマのもと、研究代表者、研究分担者による企画、発表が行われ、とりわけ研究分担者の西村洋平氏によって、新プラトン主義者ポルフュリオスの著作にたいするラテン語訳の問題が論じられ、ギリシア語で展開された新プラトン主義思想がラテン語においてどのように再/解釈されたのかが明らかにされた。同じく西村洋平氏によって開催されたプロティノス・セミナーにおいて、プロティノスの論考の精読が行われ、国内のプロティノス研究者をはじめ、多数の参加者に恵まれた。更に研究代表者、研究分担者らが主催するギリシア・アラビア・ラテン哲学会においても、研究分担者たちの発表をはじめとして、多数の新プラトン主義に関連する研究発表が行われ、新プラトン主義研究にかんする国内のコミュニティ形成を推し進めることもできた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度は国内シンポジウムを開催し、また研究代表者、分担者を含めて個人発表などの研究推進を精力的に行った。またプロティノス・セミナーやギリシア・アラビア・ラテン哲学会などの研究会、学会と共同することにより、本科研と関連する研究の成果にかんする広範いなアウトリーチも達成した。
一方で、2020年度から延期したアモス・ベルトラッチ氏の招聘に伴う国際会議の開催については、2021年度も引き続きコロナ禍のために延期せざるを得なかった。

今後の研究の推進方策

2021年度までに、ギリシア、アラビア、ラテンそれぞれの分野における新プラトン主義の展開を中心とするシンポジウムや学会を行うことができた。2022年度は最終年度ということで、これらを統括する形での国内シンポジウムを開催する予定である。開催方法については今後の状況次第ではあるが、オンライン、対面のハイブリッド方式で行われる可能性が高い。一方で、2020年度から引き続きの事案である国際シンポジウムについては、基本的には対面での実施を考えているが、状況次第についてはZoomによる完全オンラインも視野に入れざるを得ないと考えられる。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] アヴィセンナ『治癒の書』における宇宙の発出について2022

    • 著者名/発表者名
      小林剛
    • 雑誌名

      紀要 哲学

      巻: 64 ページ: 1, 18

  • [雑誌論文] 神は存在もしなければ創造もしない――神・存在・創造をめぐる新プラ トン主義の論理――2021

    • 著者名/発表者名
      西村洋平
    • 雑誌名

      新プラトン主義研究

      巻: 20 ページ: 5, 15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 信における内在と超越――中世スコラ神学から法華思想へ――2021

    • 著者名/発表者名
      山崎達也
    • 雑誌名

      東洋学術研究

      巻: 60-2 ページ: -

  • [雑誌論文] フライベルクのディートリヒにおける知性の構成的構造2021

    • 著者名/発表者名
      山崎達也
    • 雑誌名

      通信教育部論集

      巻: 24 ページ: 109, 126

  • [雑誌論文] 書評:‘Filip IVANOVIC : Desiring the Beautiful : The Erotic-Aesthetic Dimension of Deification in Dionysius the Areopagite and Maximus the Confessor2021

    • 著者名/発表者名
      袴田渉
    • 雑誌名

      中世思想研究

      巻: 63 ページ: 97, 103

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 『純粋善について』の「統括」(tadbir)と古代末期の摂理論2022

    • 著者名/発表者名
      西村洋平
    • 学会等名
      ギ リシア・アラビア・ラテン哲学会
  • [学会発表] 第30論考「自然・観想・一者について」(III, 8)第8章2022

    • 著者名/発表者名
      西村洋平
    • 学会等名
      プロティノス・セミナー
  • [学会発表] アルベルトゥス・マグヌス天体論の諸問題―アヴェロエスからの展開―2022

    • 著者名/発表者名
      小林剛
    • 学会等名
      ギリシア・アラビア・ラテン哲学会
  • [学会発表] エックハルトにおける神性の形而上学――ドイツ語説教109における哲学解釈への試み2022

    • 著者名/発表者名
      山崎達也
    • 学会等名
      ドイツ・ドミニコ会とエックハルト
  • [学会発表] Avicenna on Divine Providence and its Relationship to the Problem of God's Knowledge of Particulars2021

    • 著者名/発表者名
      Yuta Komura
    • 学会等名
      Avicenna Study Group III: Surveying the summae: Comparisons and Contrasts among Avicenna’s Eight Main Works
    • 国際学会
  • [学会発表] アヴェロエス『矛盾の矛盾』における天体の動者について2021

    • 著者名/発表者名
      小林剛
    • 学会等名
      中世哲学会
  • [学会発表] 神の名としての『生命』――古代キリスト教思想の生命論をめぐる断片2021

    • 著者名/発表者名
      袴田渉
    • 学会等名
      、聖カタリナ大学キリスト教研究所フォーラム

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公開日: 2022-12-28  

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