研究課題
作家資料の研究については、石川、金子、川崎が立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センター所蔵資料のうちテレビ・ラジオドラマ等の台本をデジタルデータ化して公開の準備を行った。また、山口は二松学舎大学所蔵の横溝正史旧蔵のうち原稿類やノート、映画シナリオなどをデータベースとしてJ-DACにて公開した。浜田は成蹊大学所蔵小栗虫太郎関連資料のうち原稿草稿の解読を進め、公開を想定した整理に着手した。また文学館、遺族蔵資料について、谷口は4~6月の姫路文学館「生誕100年記念 山田風太郎展」に協力、小松は被災した鳥羽の江戸川乱歩館資料の調査と整理、目録作り、翌年の再建に向けた協力を行い、浜田は渡辺啓助家及び神奈川近代文学館所蔵の資料を逐次紹介した。各大学や文学館所蔵資料の内実は次第に明らかになりつつある。石川を中心とした雑誌復刻については、戦後占領期の雑誌『宝石』復刻版の占領後期分の刊行を始め、九月には公開シンポジウム「雑誌『宝石』と戦後日本の探偵小説」にメンバー全員がパネラーとして発表を行った。また『関西探偵作家クラブ会報』『捕物作家クラブ会報』『探偵小説ニュース』等の資料に関してもメンバー全員の解題を付した復刻出版の準備が進んでいる。以上は資料公開の基礎作業だが、さらなる資料の活用として、川崎、谷口は『定本夢野久作全集』(本年完結)を編集し、また谷口と小松は探偵小説の史的再検討を促す『〈怪異〉とミステリ』(青弓社)を編集、執筆している。以下恣意的な例示になるが谷口は竹本健治篇『変格ミステリ傑作選』の企画に協力、川崎はパリ、イナルコの国際ワークショップにて久生十蘭、松本清張の研究成果を発表、金子は探偵小説の話法に関する理論的な研究および探偵小説を含む大衆文学と近現代文学の流れの相互関連性を織り込んだ文学史記述の可能性についての研究を進めるなど、さまざまな関連成果が結実している。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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