研究課題/領域番号 |
19H01240
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山本 秀行 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (90230581)
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研究分担者 |
宇沢 美子 (富島美子) 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 教授 (00164533)
牧野 理英 日本大学, 商学部, 教授 (10459852)
巽 孝之 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (30155098)
松永 京子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50612529)
ANTON ALINA 神戸大学, 人文学研究科, 特任講師 (50781746)
古木 圭子 京都先端科学大学, 経済経営学部, 教授 (80259738)
麻生 享志 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (80286434)
樋口 大祐 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (90324889)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | トランスボーダー日系文学 / アジア系アメリカ文学 / 世界文学 / トランスナショナル / トランスレーション / 惑星思考 / 日系アメリカ文学 |
研究実績の概要 |
初年度(2019年度)には、研究代表者、研究分担者各自が其々の関連研究テーマについて資料収集、作家インタビュー、現地調査などの研究を行った。プロジェクトメンバーは個人または共同で、国内外の学会等において、口頭発表や論文等によって関連の研究成果を発表した。特に研究分担者巽孝之・慶應義塾大学教授の論文“Thinking After the Hemispheric: ‘The Planetary Expanse of Transnational American Writing’”(The Routledge Companion to Transnational American Studies, 2019. pp. 357-69)は本科研プロジェクトに関わる研究業績として特筆に値する。その他、研究代表者・分担者(山本秀行、麻生亨志、牧野理英)が中心となり、日本英文学会関東支部第17回大会シンポジウム「エスニック文学における信頼できない語り手」を開催した。 本プロジェクトのキックオフイベントである“Remapping Asian (American) Literature in the Framework of World Literature"というテーマの国際学会を、アジア系アメリカ文学研究会(AALA)との共催で開催した。世界的に著名な文学者で研究協力者であるイェール大学教授Wai Chee Dimock氏を基調講演者、台湾・韓国からもそれぞれ研究協力者(Chih-ming Wang氏、Ki Yoon Jang氏)をゲスト・パネリスト/ディスカッサントとして招聘した他、本プロジェクトメンバー(巽、牧野、宇沢美子、Anton、山本)が中心となって開催した(9月発行のProceedingsおよび、12月発行のAALA journal No.25に収録)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本プロジェクトのキックオフイベントとして開催された国際学会"Remapping Asian (American) Literature in the Framework of World Literature"(「アジア系(アメリカ)文学を世界文学の枠組において再配置する」、2019年9月28日~29日、神戸大学)は国内外から100名(2日間の延べ数)以上の参加者を集め、日系をはじめとするアジア系文学のトランスボーダー性とその大きな可能性を確認することができた。また、当初の研究協力者Wai Chee Dimock氏(Yale U, USA)、Chih-ming Wang氏(Academia Sinica, Taiwan)の2名の他にKi Yoon Jang氏 (Sogang U, Korea)が研究協力者として加わえた他、国内の研究機関に所属する外国人研究者2名、Nathaniel Preston(立命館大学)、Lyle De Souza(京都大学)をも研究協力者として加えるなど、本プロジェクトのグローバルな研究プラットフォームの構築の基盤を作ることができた。 また、「トランスボーダー日系文学」の3つのフェイズのうち2つ、すなわち、「グローバル日系英語文学」(北米からヨーロッパやオセアニアにまで世界的に広がる日系人の英語による文学)、「トランスナショナル/トランスカルチュラル日系文学」(日本生まれの日系人/日本作家の文学および日本文化を扱った日系アメリカ人作家の文学)について、研究のパースペクティヴと方向性をプロジェクトメンバーが共有することができ、今後のプロジェクトの展開に大いに寄与するものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度と同様に、プロジェクトメンバー(研究代表者、研究分担者)各自が其々の関連研究テーマについて資料収集、作家インタビュー、現地調査などの研究を行うとともに、各グループはグループリーダーの監督の下、メンバー間のメールリンク、Facebookグループ、SkypeなどITネットワーク・ディバイスを活用し、定期的に(2~3か月に一回程度)、グループ研究会(打ち合わせ)を行う。特に、2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、「対面式」の研究会/研究打ち合わせ会を行うことは難しいと考えられることから、ITネットワーキングの充実と効率化を図る。 また、2019年度の国際学会等によって構築したグローバルな研究プラットフォームを充実させるため、国内外から本プロジェクトへの新たな参加者を募り、研究を一層強化していく。特に、「トランスボーダー日系文学」の第3のフェイズ「トランスレーショナル(翻訳媒介的)日本文学」(翻訳によって世界的に(特に英語圏で)受容された日本文学)の研究強化を図るために、2020年度より、中地幸・都留文科大学教授と渡邊真理香・北九州市立大学准教授が研究分担者と加えることが内定している。 本研究プロジェクトの成果を2020年度末を目途に論集(図書)として刊行することによって、本プロジェクト研究の中間結果を世に知らしめ、研究のさらなる向上につなげるためのフィードバックを行うことで、最終年度である2021年度における研究総括につなげていく。
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