研究課題/領域番号 |
19H01257
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
藤代 節 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (30249940)
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研究分担者 |
片山 修 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (20295778)
岸田 文隆 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (30251870)
岸田 泰浩 大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 教授 (40273742)
澤田 英夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (60282779)
沈 力 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (90288605)
菅原 睦 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50272612)
早津 恵美子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (60228608)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 混成言語 / 言語生態 / 二言語併用 / 言語接触 / 言語地域 / 危機言語 / ユーラシア / 少数民族言語 |
研究実績の概要 |
まず、年度当初には本研究課題に先行する課題で行った混成言語と言語接触を主題とする研究成果である論考をCSEL21号にとりまとめた。平行して、新たに社会的文化的環境に関わる情報を共有し、各地域での混成言語についての観察分析を進めた。研究計画検討及び情報共有を目的に7月に研究会を開催し、年度末には他の科研班と共同で国際シンポジウム並びにワークショップを開催した(於・神戸市看護大、釧路公立大)。メンバーはユーラシア全体を5つの地域に分け、マス・メディアからの情報等も視野に入れ調査研究に取り組んだ。 ◎東ゾーン(中国、極東):(早津)現代日本語の使役表現等の実態を多角的に調査研究;(岸田(文))近世の日朝往復ハングル文書研究;(沈)秦晋豫の三省の漢語諸方言調査研究;(川澄哲也(松山大)*)中国内「混成言語」研究の動向調査。 ◎西ゾーン(欧州、コーカサス地方):(吉田浩美(神戸外大)*)スペイン語圏内バスク語使用圏アスコイティア方言等のデータ収集分析調査;(岸田(泰))民族離散を背景とする東西アルメニア語の異同に関わる言語類型論等からの研究。 ◎南ゾーン(東南アジア・南アジア):(澤田)ミャンマーカチン州のランスー語等の調査研究、成果発表。 ◎北ゾーン(ロシア連邦域(ロシア語圏)):(藤代)極北シベリアのチュルク語文献資料の調査研究;(松本亮(神戸山手大)*)エヴェンキ語北・東方言並びに極北のウラル系言語文法調査と研究。 ◎中央ゾーン(中近東、中央アジア、チュルク語圏、蒙古語圏)(菅原)中期チュルク語の研究と電子テキスト整備;(大﨑紀子(京都大)*)キルギス語の文法調査と分析;(角道正佳(大阪大)*)漢語圏の蒙古系諸言語の調査研究。 ◎情報処理班:(片山)多言語データの資料構築やHPによる情報公開方法の検討。 (*は研究協力者)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度には、初年度にあたっての研究打合せ会、メンバーによる対照言語の現地調査や成果発表、先行して行った研究課題から本研究課題へのスムーズな進展、ヤクート語並びにナナイ語など小言語の研究者をロシア国から招聘してのシンポジウム、ワークショップを他の言語学分野の研究班と共同で開催するなど、初年度としては十分な成果を挙げたと言えるが、2019年度末にコロナ禍のため、研究冊子の校正・印刷に遅れが生じてしまった
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は2019年度にとりまとめた出版物(CSEL21号論文集)の印刷と配付を速やかに行い、コロナ禍の情勢は厳しいが、一層、ユーラシア各地域での研究活動に活発に取り組む予定である。全世界的な新型コロナ感染症の流行により、徐々に調査形式としてその有用性が増しているオンラインによる調査などの効果的な方法を模索し、また、対面での現地参加に自ずから制約があった国際会議などでの成果発表に研究協力者を含む全員が取り組めるようにやや科研費研究調書作成時とは異なる形にはなるが、それをカバーしつつ、研究を進めたい。
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