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2019 年度 実績報告書

自閉症スペクトラム障害の言語行動のアルゴリズム構築

研究課題

研究課題/領域番号 19H01258
研究機関青森中央学院大学

研究代表者

加藤 澄  青森中央学院大学, 経営法学部, 教授 (80311504)

研究分担者 斉藤 まなぶ  弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (40568846)
飯村 龍一  玉川大学, 経営学部, 教授 (80266246)
田中 真寿美  青森中央学院大学, 経営法学部, 講師 (90557795)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード自閉症スペクトラム障害 / 機能言語学 / コーパス言語学 / 談話分析 / ASD / 臨床言語論 / 言語発達 / 語用論的障害
研究実績の概要

1. 日本語コーパスに関して:
①コーパス拡張のためのデータ収集と逐語記録化を行った。これは、現コーパスの被験者の年齢層にばらつきがあるため、特定の年齢層を増やす必要があったためである(15歳-20代のデータ拡張が必要)。②さらなる意味情報付与の精巧化を目指し、アノテーション項目を増やした。オリジナルの過程構成・Agency・肯否極性・態度評価・程度評価・モダリティに加え、新たに設けたlexicogrammarは、clause complex・logico-semantic relation・ムード・証拠性・態(能動・受動)・オノマトペ・フィラーである。③ ②の新設lexicogrammarの辞書を作成した。④ ③の新設辞書に基づき、アノテーションを行った。⑤アノテーション・ツールのversion upを実施し、現時点で、version 15を達成している。⑥同時に、コーパスviewerのversion upも行い、現時点で、version 9を達成している。⑦Systemic Functional Linguisticsに基づいた日本語のsystem networkの開発を行った。
2. 英語話者版コーパスに関して:
①英語話者であるASD児/者、定型発達児/者を対象に、日本語話者に課したタスクと同じタスクを課し、データ収集を開始した。②収集したデータに関しては、順次、逐語記録化を進めている。③逐語記録化したデータの個人情報の記号化、及び個人が特定できる情報の修正・削除を行っている。④英語版用のアノテーション・ツールの開発を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

日本語版コーパスは順調に進んでいるが、英語版コーパスに、遅れが見られる。米国でデータ収集を行っているが、COVID-19の影響で、渡米ができず収集ができない状況にあるためである。またCOVID-19が発生する前に収集したデータの逐語記録化が多少、遅れている。また、英語版用のアノテーション・ツールの開発が年度内に達成できなかったため、アノテーション項目であるlexicogrammarの辞書作成にまだとりかかれずにいる。

今後の研究の推進方策

1.日本語版コーパス
① AIに深層学習させるため、自閉症スペクトラム障害児/者と定型発達児/者及び統合失調症者の話し言葉のモニター・コーパスのアノテーションのルールの一貫性と精緻化を徹底させるために、先ず、マンパワーによるマニュアルでのアノテーションの再チェックを、全コーパスに対して、数回にわたって行う。② AIによるアノテーションの深層学習を開始する。③AIによる深層学習の結果を待って、アノテーションの自動化を試験的に行い、その精度と実用化の可能性を探る。④深層学習の結果を基に、自閉症スペクトラム障害の話し言葉で使用されるlexicogrammarの自然言語処理のアルゴリズムの構築作業にとりかかる。
2.英語版コーパス
①英語話者である自閉症スペクトラム障害児/者及び定型発達児/者のモニター・コーパス作成のためのデータ収集とそのtranscribing を継続する。② 英語版コーパスのためのアノテーション・ツールの開発を継続する。③英語版コーパスのアノテーション・ツールの開発を待って、Systemic Functional Linguisticsのシステム・ネットワークに沿った辞書の作成のために、lexicogrammar項目の言語学的分析を行う。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Association between Sleep Disturbances and Emotional/Behavioral Problems in Chinese and Japanese Preschoolers.2020

    • 著者名/発表者名
      Wang G, Takahashi M, Wu R, Liu Z, Adachi M, Saito M, Nakamura K, Jiang F
    • 雑誌名

      Behavioral Sleep medicine

      巻: 18 ページ: 420-431

    • DOI

      10.1080/15402002.2019.1605995

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 自閉症スペクトラム障害の語用論的障害から捉える認知神経学的/言語的現象としてのモダリティ2019

    • 著者名/発表者名
      加藤澄
    • 雑誌名

      機能言語学研究

      巻: 10 ページ: 73-97

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 観念構成的比喩による節形成機能について―感覚者dayの解釈構築パタン2019

    • 著者名/発表者名
      飯村龍一
    • 雑誌名

      LEORNIAN

      巻: 23 ページ: 3-14

    • 査読あり
  • [学会発表] Cumulative Incidence of Autism Spectrum Disorders2019

    • 著者名/発表者名
      T. Hirota, M. Saito, Y. Sakamoto, M. Adachi, M. Takahashi, A. Osato, Y. S. Kim, B. L. Leventhal, A. M. Shui, S. Kato and K. Nakamura
    • 学会等名
      International Society for Autism Research
    • 国際学会
  • [学会発表] Innovation of Eye tracking device for early detection of children with developmental coordination disorder2019

    • 著者名/発表者名
      Saito, M, Aoki, T, Koeda, S, Mikami, M, Yoshida, K, Kaneda-Osato, A, Masuda, T, Sakamoto, Y, Mikami, T, Yamada, J, Tsuchiya, K, Katayama, T, and Nakamura, K
    • 学会等名
      Developmental Coordination disorder
    • 国際学会
  • [学会発表] Comorbid Rate of Other Neurodevelopmental Disorder with Autism Spectrum Disorder in a Total Population Sample of 5-Years-Old Children2019

    • 著者名/発表者名
      A. Terui, M. Saito, T. Hirota, Y. Sakamoto, Y. Matsubara, M. Adachi, M. Takahashi, A. Osato and K. Nakamura
    • 学会等名
      International Society for Autism Research
    • 国際学会
  • [学会発表] Prevalence and Cumulative Incidence of Autism Spectrum Disorders and the Patterns of Co-occurring Neurodevelopmental Disorders in a Total Population Sample of 5-years-old children. The 10th Congress of The Asian Society for Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions2019

    • 著者名/発表者名
      Manabu Saito, Tomoya Hirota, Yui Sakamoto, Masaki Adachi, Michio Takahashi, Ayako Osato-Kaneda, Young Shin Kim, Bennett Leventhal, Amy Shui, Sumi Kato, Kazuhiko Nakamura
    • 学会等名
      Asian Society for Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions
    • 国際学会
  • [学会発表] 就学前のDCD早期発見のためのチェックリストの完成2019

    • 著者名/発表者名
      斉藤まなぶ、北洋輔、稲垣真澄
    • 学会等名
      日本DCD学会
  • [学会発表] 就学前の発達性協調運動症(DCD)早期発見のためのチェックリストの完成~顕在化しにくい発達障害の特性を早期に抽出するアセスメン トツールの開発及び普及に関する研究より2019

    • 著者名/発表者名
      斉藤まなぶ、北洋輔、大里絢子、三上珠希、稲垣真澄、中村和彦
    • 学会等名
      第21回東北児童青年精神医学会
  • [図書] 臨床言語心理学の可能性2019

    • 著者名/発表者名
      武藤 崇, 山本 淳一, 大月 友, 藤岡 勲, 伊東 秀章, 加藤 澄, 三田村 仰
    • 総ページ数
      178
    • 出版者
      晃洋書房

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公開日: 2021-01-27  

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