研究課題
本年度は各自のテーマに沿って個別に研究活動を続けながら、全体の整合性を目指して学外の研究者3名を招いて座談会形式の講演会を開催した。王は論文1つを発表して、明治時代以降の日本で出版された中国語教科書に着目し、中国語音声表記法の各実態を概観し、当時の社会情勢や文化的要素と結びつけながら、言語学的な変遷から明らかになる日本人の中国語音声学習の試みを異文化理解の視点から再考察した。また、1700~2022年の中国語語教科書2142件のリストを完成した。夏は近いうちに出版される予定の著書において、中国人作家の書いた脚本を中国語を勉強するテキストとして使用する可能性と意義を探究し、演劇的表現法を応用した中国語コミュニケーション教育法を考えた。生田は論文3つを発表して、ソ連に抑留された佳木斯第一陸軍病院の女子部隊が作成した手書きの日露教材をとりあげ、彼女たちがほぼ全員帰還できたのは、日露双方のコミュニケーション力による所が大きいことを明らかにした。藤本は論文1つを発表して、東京外国語学校との比較を試み、ウラジオストクにおける東洋学院の創設を考察した。ヨコタ村上は論文1つを発表して、ロシア語教科書に見られる異文化理解の有り様に対して得たいくつかの新しい知見を日ロ関係史において提示した。また、1800~2022年のロシア語教科書958件のリストを完成した。植田は論文1つを発表して、奥山仙三・相場清・梶井陟を取り上げ、旧朝鮮語学の学習書の戦後の学習書への流用という行為から旧朝鮮語学と戦後の朝鮮語教育の断絶と連続性の検討を試みた。また、1880~2022年の朝鮮語教科書2131件のリストを完成した。その他、完成した近現代日本で出たロシア語・中国語・朝鮮語教科書類のデータベースは現在インターネット上公開している(http://takman.my.coocan.jp/misc-J.htm)。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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批判的社会言語学の現在(言語文化共同研究プロジェクト2022)
巻: 2022 ページ: 47~58
10.18910/91568
時空と認知の言語学12(言語文化共同研究プロジェクト2022)
巻: 2022 ページ: 10~19
10.18910/91545
セーヴェル
巻: 39 ページ: 104~110
巻: 39 ページ: 11~30
Handbook of Japan-Russia Relations
巻: - ページ: 255~270
巻: 38 ページ: 197~205
巻: 37 ページ: 54~71
http://takman.my.coocan.jp/misc-J.htm