研究課題/領域番号 |
19H01285
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中村 典生 長崎大学, 教育学部, 教授 (70285758)
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研究分担者 |
小林 透 長崎大学, 工学研究科, 教授 (90637399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小学校外国語 / 外国語活動 / AI / 小学校教員の英語力・指導力 / ALT / へき地・小規模校 / 離島 / パフォーマンステスト |
研究実績の概要 |
2017年3月に新学習指導要領が告示され,小学校高学年で外国語(英語)が教科化され,中学年から外国語活動が実施されることとなった。2018年,2019年度は新学習指導要領への移行期,2020年度から全面実施となる。このような状況下で,小学校英語教育を取り巻く喫緊の課題として,①主たる指導者である担任教師の英語力不足と不安感,②Assistant Language Teacher(外国語指導 助手,ALT)の人数不足,③離島等のへき地・小規模校と中・大規模校との指導環境格差,④教科化に伴うパフォーマンス・テスト(スピーキング)実施の困難さ,がある。以上を解決するために,本研究は英語コミュニケーション能力を備えたアバター(分身キャラクター)を人工知能(Artificial Intelligence, AI)を用いて製作し,試験的に小学校の英語教育に導入することで,現場でのAIの活用と,教員との「共存」の可能性を探るものである。 初年度である2019年度は,AI製作に必要な児童の会話データ収集のために,できるだけ多くの学校・教員を訪問し,研究への協力を依頼するとともに,児童の典型的な英語会話に関する資料を,小学校中学年用の教材『Let's Try!』高学年用の教材『We Can!』をもとに,信頼できる現場の教員の助けも得て収集した。また,実際にどのようなAI製作が可能かを確かめるため,現状の資料で可能なAIを試作し,評価することで,今後の課題について検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は主として以下の研究計画を立てた。 (1)データ収集(『We Can!』『Let’s Try!』からの典型的なシナリオ抽出,協力校における教員・児童のインタビュー) (2)AI試作品の製作 研究実績の概要に示した通り,(1)については多くの小学校・教員を訪問し,AI試作品に必要な資料を収集した。(2)についても,AIの試作品が完成し,評価・検証を行った。以上より,研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に引き続き,現場である小学校に協力をもとめながら,AI製作に必要な児童の会話資料をできるだけ多く収集する。また,その資料を分類・分析し,AI製作に使用可能な形にする。 AI製作に関しては,試作版のAIの課題を明らかにし,実際に現場で使用できる形にできるようカスタマイズしていく。また,人型ロボットやアバターなど,どのようなインターフェイスが有効であるかについても吟味する。年度後半には,現場で試行できるAIを完成させ,小学生を対象に実際に使ってもらい,AIの評価・検証を行う。その結果をふまえて,最終年度である2021年度に向けてさらにAIをカスタマイズしていく。
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