研究課題/領域番号 |
19H01295
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
小野寺 拓也 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (20708193)
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研究分担者 |
山根 徹也 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (10315822)
三ツ松 誠 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 講師 (10712565)
平山 昇 九州産業大学, 地域共創学部, 准教授 (20708135)
森田 直子 立正大学, 文学部, 准教授 (30452064)
池田 勇太 山口大学, 人文学部, 准教授 (30647714)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 感情史 / 日独比較史 |
研究実績の概要 |
当該年度は、申請した研究プロジェクトの初年度であったことから、感情史をめぐる基本認識をメンバー間で共有するため、既存の研究文献の講読を行った。具体的には、ドイツにおける感情史研究の一大中心地であるベルリンのマックス・プランク教育研究所所長のウーテ・フレーフェルトによる『歴史の中の感情 失われた名誉/創られた共感』(櫻井文子訳、東京外国語大学出版会、2019年)、およびJan Plamper, The History of Emotions: An Introduction, 2017を取り上げ、批判的検討をおこなった。とくに後者は、日本においてはまだ萌芽的な段階にある感情史研究をより活発にするために翻訳を進めることが不可欠であると考えられるため、参加メンバーの一部が行った翻訳を、科研メンバーによって丁寧に検討した。本書は、2020年度中の刊行が予定されている。 また、2019年11月には博多および門司において合宿を行い、メンバーの研究計画について意見交換を行った。加えて、日本近現代史において感情が重要な役割を果たした場所について、視察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は参加メンバー間で感情史に関する知見を共有し、今後の研究の方向性についての問題意識を共有することをもっとも大きな目標としていたため、その目標は達成することができた。なお、当初初年度に予定していた海外研究協力者Jan Plamper氏の招へいについては、訳書刊行にあわせて国際シンポジウムやワークショップなどを行うことが、話し合いによって決まっている。
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今後の研究の推進方策 |
感情史についての基本的認識を共有した昨年度の研究成果を踏まえ、今年度はそれぞれの参加メンバーが自らの個別研究を発展させていくうえで、より具体的な方向性へと一歩踏み出すことが一番重要である。そのため、研究会では理論性の高いものだけでなく、より具体的な感情史研究の文献を取り上げ、批判的検討を行う。その一方で、コロナウィルスをめぐる世界的な危機のなかで、研究の前提となるフィールドワーク、とくに海外での資料収集が現在困難な状況にある。また、海外研究協力者の招へいも予定通りには進まない可能性がある。そのため、状況に応じてではあるが、繰越手続きを利用して研究期間を延長することも検討したい。
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