研究課題/領域番号 |
19H01309
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯塚 一幸 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50259892)
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研究分担者 |
落合 功 青山学院大学, 経済学部, 教授 (10309619)
久野 洋 神戸大学, 人文学研究科, 特別研究員(PD) (10795181)
東野 将伸 岡山大学, 社会文化科学研究科, 講師 (10812349)
伊藤 昭弘 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 准教授 (20423494)
町 泉寿郎 二松學舍大學, 文学部, 教授 (40301733)
中川 未来 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (60757631)
久保田 裕次 国士舘大学, 文学部, 講師 (70747477)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日本史 / 塩田地主 / 岡山藩 / 貴族院 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①野﨑家史料を整理し、『野﨑家文書目録』として全容を公開する、②「野﨑家史料研究会」を立ち上げ、野﨑家史料から得られた新たな知見を基に、学際的な共同研究を実施する、その共同研究を通じて、岡山・瀬戸内地域の有力者から出発した野﨑家が、どのように日本の近代化を担い帝国化に対応していったのかについて、明らかにする。③②を通して、『巨大塩田地主野﨑家の総合的研究(仮)』を刊行することである。この内今年度は、初年度であることを踏まえて、①を重点的に行った。実績の概要は以下の通りである。 ・野﨑家史料は、主に旧野﨑家住宅(野﨑家塩業歴史館)の母屋と書類蔵に収納されている。まずは1964年に刊行された『野﨑家文書仮目録』にない史料も含めて、4月28日から30日にかけて概要調査を行い、新たに箱番号を付して中性紙箱に収納し直した。また、この作業を通して目録マニュアルを決めるなど、調査方針を確定した。 ・主に大阪大学と岡山大学の日本史研究室の院生・学生、および岡山在住の地元研究者を組織して、8月9日から11日、2020年2月14日から16日に大規模調査、6月29日、9月6日から8日、11月9日・10日に中規模調査を行い、野﨑家史料の目録化と必要な史料の撮影に着手した。この結果、今年度は4705点の目録を採り、468点の撮影を実施した。 ・研究代表者・研究分担者・研究協力者、野﨑家史料に関心を有する若手研究者・大学院生を組織して、12月26日に「野﨑家史料研究会」を立ち上げた。また、研究代表者・研究分担者は、各自の研究課題について、先行研究を集め、各地の資料館・図書館・博物館等で史料収集を行った。 ・調査中に地元の新聞、テレビの取材を各一回うけ、調査開始とその意義をまとめた新聞記事として掲載され、テレビのニュースとしても報道された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の前提となるのが、旧野﨑家住宅に収蔵されている野﨑家史料の目録化であるが、大阪だ学と岡山大学の院生・学生、および地元研究者等による6回の史料調査を実施することができ、ひとまず順調な滑り出しとなったと判断している。また、目録化を完了した史料の撮影にも着手することができ、この点でも当初の予定通り作業が進行している。 次に、研究代表者・研究分担者・研究協力者に加えて、野﨑家史料の目録化を中心的に担っている大阪大学の院生や地元研究者も参加して、「野﨑家史料研究会」を立ち上げることができ、史料情報の共有化の上に立った研究の進展、本研究を通した若手研究者の育成に向けて、着実な一歩となった。 また、地元の新聞、テレビの取材に応じ、市民への研究成果の還元・広報に動き出せたことも重要である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は以下の方針のもとに研究を実施する。 (1)野﨑家史料は、主に旧野﨑家住宅(野﨑家塩業歴史館)の母屋と書類蔵に収納されている。前年度に引き続き『野﨑家文書仮目録』にない史料群を含めて中性紙箱に詰め替え、新たに箱番号を付し、野﨑家史料の概要を把握する。 (2)主に大阪大学と岡山大学の日本史研究室の院生・学生、および地元岡山県の研究者を組織し、野﨑家史料の目録化と必要な史料の撮影を行う。この作業は野﨑家塩業歴史館で行う。また、目録データと撮影データについては、研究代表者・研究分担者・研究協力者および野﨑家塩業歴史館で共有する。 (3)前年度に立ち上げた「野﨑家史料研究会」を引き続き開催し、野﨑家史料から得られた新たな知見に基づく分析を深める。また、研究代表者・研究分担者は、各自の研究課題について先行研究を集め、各地の資料館・図書館・博物館等で史料収集を行う。 (4)本研究課題による活動と研究の成果を社会に還元するために、適宜新聞やテレビを対象に記者発表を行い、可能であれば講演会もしくはシンポジウムを開催する。
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