研究実績の概要 |
2022年度は、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の影響から海外調査が難しい状況が続いていたため、国内の史資料調査と関連分野の研究者間の連携強化に努めた。前者については、東洋文庫、東京大学史料編纂所等で関連史資料の調査を行うとともに、中央アジアの水利史研究を、日本の近世・近代水利史研究の成果に照らして検討し、新たな研究視角を発掘する作業を行った。また後者に関しては、アジア経済研究所基礎理論研究会を舞台に、国内で中央アジア各地の水利史研究を行う研究者と意見交換を行った。 こうした活動の成果の一部として、水利史、ホラズム地方史、史料研究に関連した以下の論文を刊行できた。 Shioya, Akifumi, "Shiite Captive Release Negotiations in Khiva: A Nexus of Khivan-Iranian and Anglo-Russian Relations," Acta Slavica Iaponica, 43, pp.73-93, 2023. Shioya, Akifumi, "Islam and the Nomadic Political Tradition in the 19th-Century Khanate of Khiva," Oriente Moderno, 102, pp.68-87, 2022. 塩谷哲史「19 世紀ヒヴァ・ハン国の年代記」野田仁編『近代中央ユーラシアにおける歴史叙述と過去の参照』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 93-106頁, 2023年. 塩谷哲史「ラクダと都市が支えた草原の移動―18~19世紀の中央アジアとロシア―」今村薫編『中央アジア牧畜社会―人・動物・交錯・移動―』京都大学学術出版会, 60-81頁, 2023年.
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