研究課題/領域番号 |
19H01319
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石川 禎浩 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10222978)
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研究分担者 |
村上 衛 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (50346053)
小野寺 史郎 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (40511689)
森川 裕貫 関西学院大学, 文学部, 准教授 (50727120)
都留 俊太郎 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (00871401)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中国近現代史 / 中国共産党 / 中国国民党 / 資料集 |
研究実績の概要 |
一昨年4月に本研究プロジェクトの定期的研究班として立ち上げた「20世紀中国史の資料的復元」班は、本研究グループの構成員の参加により、コロナ禍にもかかわらず、強い参与意識をもとに、二年間で30回以上の定期研究会(ZOOMによるオンライン開催)を開催し、中国共産党史、中国国民党史の諸種の資料集のソースの解析を行い、相互の討議を通じて、その生成過程を分析することができた。本研究プロジェクトの構成員の報告題目は、以下の研究班ホームページに掲載の通りである。 http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~rcmcc/group107.htm 一方、予定していた関係資料の収集は、を一部再開するとともに、多数のチラシ・ビラからなる文革時期紅衛兵資料群(人文科学研究所に寄贈された鱒澤コレクション)の整理とデータベース化を継続推進する。ただし、昨年度に予定した中国、台湾、香港での資料調査は、コロナウィルスの感染拡大の余波を受け、まったく実施できなかった。これに代えて、資料生成と翻訳に関する国際ワークショップを10月31日にハイブリッド形式で開催し、翻訳という営為が、資料の生成やその加工に大きな影響を与えるものであることが浮き彫りとされた。 他方で、国外の専門研究コミュニティ(例えば、台湾中央研究院近代史研究所の研究グループによるプロジェクト「国共両党の比較研究」)との研究協力は、11月3日のオンラインワークショップによって研究成果のとりまとめに向けた道筋が見えてきたので、本研究プロジェクトの成果と合わせて、論文集の刊行へむけて、出版の方策をさぐっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
何と言ってもコロナ禍によって肝腎の海外での資料調査や国際学会参加などの機会を奪われたことが大きく響いた。成果の発表スタイルも、対面による研究会での報告や円卓方式でのワークショップが構想されたものの、すべてオンラインでの開催に切り替わり、そのため旅費として計上した分が執行できず、逆にオンライン形式の学会、研究会が増えたため、そのためのオンライン会議用の電子デバイスを購入するのにかなりの金額がふりむけられた。 その一方、オンラインデータベースが大学全体で充実したため、それを使った資料収集や分析、比較が可能となった。本研究の研究対象でもある中国共産党が結党100周年を迎える2021年、いくつかの国際学会が企画されているので、それに参加して成果を報告するための準備を着実に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
対面での研究成果のすり合わせ、資料検討、研究状況と情報の交換がいずれも難しくなっているが、オンライン会議システムは、実は少人数の研究会(特に遠隔地からの参加)にとって、ある意味で望ましい開催形態であることを昨年度の経験から感得した。 そこで今後は中核の研究メンバーは現行のスタッフによって維持しながらも、特定の資料や事案の関連文書については、東京、福岡、名古屋などにいる関連分野の専門家と意見と情報公刊をすべく、ゆるい外援的人材を研究活動に加えて、資料読解の精度を上げていくことになろう。 同様に国外の研究者、研究機関との情報交換と知見のすり合わせも以前よりもかなり垣根が低くなっているので、時差の許す限り国外との研究連携を維持していくことになろう。
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